
おはようございます。
午前8時半朝礼。10時、T社とZOOMミーティング。午後はなぜかワードのデータを手直しする作業。僕にとってワードは謎のソフトだ。結局、一太郎で作り直す。他に、細々とした事務的作業。6時半、同友会事務所。中小企業家同友会とかち支部四役会。9時過ぎ帰宅。
社員というより、むしろサンシャイン
長年不思議に思っていることがある。ちょっとした言葉の使い方の違いなのだが、もしかすると奥が深いのかもしれない。
それは「従業員」「社員」「社員さん」の違い。法的にいえば、社員は社団法人の構成員を指し、株式会社では株主のことをいう。だから、厳密な意味で自社の社員のことを「従業員」と呼ぶ経営者も多い。それはそれでよいのだが、僕が従業員の立場だったら、「従業員」とは呼ばれたくないのが正直なところ。やはり「社員」と呼ぶべきだ、と僕個人としては考えている。
謎なのは「社員さん」だ。2001年以降、僕が受講した経営者・幹部向けの研修では、見事なまでに「社員さん」という言葉が使われていた。また、同友会の中でも「社員さん」と呼ぶ人は案外多い。僕もいつの間にか影響を受けることとなった。2回に1回くらいの割合で「社員さん」という言葉を使っている。
それで何の支障もない。だから改めて考える必要はないのだが、僕の頭の中はスッキリしない。滅多にないことだが、僕が自分のことを「社長さん」と呼ばれたりすると、恐怖にも似た不安な気持ちとなる。何か落とし穴があるのではないか? 役職にはすでに敬称が含まれているから、「さん」をつけるのは誤用だ。あえて誤用してまで相手を持ち上げようとするのには、何か裏があるに違いない……。そう考えてしまうのだ。9割くらいは誤用に気づいていないだけの話なのだが、1割程度は本当に落とし穴がある。「社員さん」という場合にも、そんな魂胆があるのではないか……というのが僕の最初の仮説だった。
しかし、よく考えるとそうではないことは明らかである。「社員」という言葉に敬称は含まれていない。「さん付け」することで役職者と対等になると考えるのが妥当だろう。パートナーシップに基づいて企業経営を行っていくには「社員さん」と呼ぶべきなのかもしれない。
僕の中にあった疑問はあるとき氷解した。2000年代半ば、若手社員の中に光り輝く存在を発見したのだった。そのとき僕の脳裏には「You Are My Sunshine」の曲が浮かんでいた。僕の心情としては、レイ・チャールズの歌う「You Are My Sunshine」が近いかな。2000年代前半は、我が社にとって一大変革期。経営指針を明確にし、改革を推し進めていた。これはみんなのため、会社のためと思って進めたが、会社から離れていく人も少なくなかった。「Please don’t take my sunshine away」とは言わなかったが、いつも複雑な思いが交差していた。
そうか。サンシャインだから「社員さん」なのか。経営者の中にはみんながそう呼んでいるからではなく、心から「社員さん」と言っている人がいる。きっと、自分のこれまでの仕事人生の中にサンシャイン体験があるからに違いない。
自社の社員には光り輝く才能や可能性が秘められている。その才能を引き出すのが上司の務めといえる。磨くことで宝石のように光る人もいれば、いぶし銀のようになっていく人もいる。輝くかどうかは、本人の自己成長意欲が半分、もう半分は会社や上司の働きかけだ。
一人ひとりの「サンシャイン」は通常、目に見えないところにある。本人はその存在すら気づいていないことが多い。才能の気づき方と磨き方は人それぞれ。同じパターンはほとんどない。それだけに、今も複雑な思いをすることがあるし、突然、頭の中でレイ・チャールズが「You Are My Sunshine」を歌い出すこともある。本当に不思議なものだ。