
おはようございます。
午前8時半、朝礼。9時15分、T氏とミーティング。10時半、電子書籍ミーティング。午後1時半、ZOOMで面接。4時、幹部会議。6時半、同友会事務所。中小企業家同友会とかち支部四役会。9時帰宅。
紙と本と電子書籍、それぞれの弱点
中小企業家同友会とかち支部では、オンラインビジネス研究会が立ち上がった。各社の実践活動を通じて、参加企業のDXを進めようとする会。今年度は3グループ。「電子書籍」「Eコマース」「WEBマーケティング」の3つ。このうち、僕は電子書籍グループの世話役という立場。さすがに電子書籍は間口が狭い。他の2グループはそこそこ人が集まっている。
電子書籍元年と言われたのは2010年のことだったと記憶している。この年2月、我が社では全国に先駆け、英語版の電子書籍をKindleストアから発売。日本でも電子書籍が普及すると見込んで、次々電子書籍を発行するつもりだった。
だが、日本版の電子書籍端末が発売され、日本版のKindleストアが開設された2012年以降も、なかなか電子書籍が読まれている気配がない。一部のマニアックな層の人たちが電子書籍を購入したり、「自炊」をして、紙の本を電子化して読む程度。コミック以外はなかなか読まれることはなかった。
僕も自著を2冊だけ電子書籍化し、2つの電子書籍ストアで販売したものの、「手間をかけるだけの価値はない」と思って、その後は電子書籍の読者に徹することにした。僕個人としては、ビジネス書に限れば、電子書籍は便利なものだと考えている。印刷会社の人間なので、紙の本には当然愛着がある。だが、ドライに一人の読み手として考えるならば、本の価値は「読みやすいかどうか」の一点である。僕はさまざまな本で比較検討してみた。
その結果、当然とも言えることなのだが、一長一短であるという当たり前の結論に落ち着いた。だから、紙の本も電子書籍も読むようにしている。ちょと変な話だが、電子書籍で読んだ本を改めて紙の本で買い直すことがある。その逆もある。電子書籍のちょっとした弱点として、図や写真の見づらさがあるのだ。タブレットで読む分にはさほど弱点にはならないかもしれないが、Eインクの専用端末ではここが問題。逆に言うと、文字だけの本であれば、圧倒的に電子書籍のほうが優位に立っていると思う(異論はあるだろうが)。
紙の本も電子書籍も読むため、僕の本代は以前と同じかやや増加していると思われる。僕と同じような読者はきっと多いに違いない、したがって、今後は紙の本に電子書籍閲覧サービスが付録として付けられるようになるのではないか。僕は勝手にそう予測しているし、実際に我が社の書籍のいくつかで試してみようと考えている。これは素晴らしい付加価値になるに違いない。
紙の本の弱点は、製本されていること。製本されてなければ、本とは言えないから、生まれながらの矛盾とも言える。本を開くと真っ平らにはならない。特に、無線綴じの本はノドに近いところの文字が読みにくい。このため、わずかではあるが指で押さえるために力を入れる。これが僕にはちょっとしたストレスになる。
ハードカバーの本には別なストレスを感じる。何となくページがめくりにくい。カバーよりも寸法が小さいことと、カバーがしならない(ハードだから当然)ことがその理由。僕は本という物質よりも、載っている情報・知識に関心があるため、カバーも含めて、紙は軟らかいほうがありがたい。数日前手にした本はビックリするほど軟らかい紙だった。この紙を選んだ出版社はすごいと思った。
それはともかく、僕は紙の本と電子書籍との間で揺れ動いている。一読者としても揺れているし、本をつくる立場としても揺れている。これから、紙の本と電子書籍について、自分の考えを余すところなく述べてみたいと考えている。