
おはようございます。
午前中は来期経営計画書作成に関連して、中期ビジョンを描く。10年ビジョンと3年後のビジョン。頭の中に矛盾はないが、十分描き切れているとは言えない。午後3時、ミーティング。4時からは役員が集まってビジュアリゼーション。ただ、昨日は本格的なビジュアリゼーションまではたどり着かず、その前段階のディスカッションのみ。それでも一歩前に進んだことは間違いない。イメージが共有されると同時に、僕のイメージ不足だった部分が補完された。
ビジュアリゼーション
ビジュアリゼーションという言葉を最初に知ったのは、20年近く前のこと。可能思考研修を受講した際のことだった。研修の中でどのようなものを作成したのかは忘れたが、この手法は応用が利くに違いないと思った。その後、部署やチームでビジュアリゼーションを行うようになった。
ビジュアリゼーションとは、「目に見えない事物や現象を、映像、グラフ、表などにして分かりやすくすること」とされる。日本語では「可視化」。僕らが可視化したいのは自分または自社の将来のビジョンである。これを可視化するにはイメージ力が欠かせない。そして、そもそもビジョンが明確になっていなければならない。
会社全体、あるいは部署としてビジュアリゼーションを行うには、参加者の間でイメージが共有されている必要がある。このため、全社でのビジュアリゼーションを行ったことはまだない。我が社では17年前にスロウ編集部が行い、その後、しゅん編集部がビジュアリゼーションを実施した。さらに、新設したいくつかの部署が行った。描かれたものの一部は実現した。一定の効果はある。
ただ、その後10年近く、ビジュアリゼーションは忘れ去られていた。僕も思い出したように個人のビジュアリゼーションを行うことがあるが、ここ数年はまったく手を付けていない。これをやるにはまとまった時間が必要なのである。
役員でのビジュアリゼーションは今回が初めて。まず、ビジョンを語り合える顔ぶれが揃ったという点が大きい。そして、数年後に世代交代期が迫ってきている。各自方向性にブレがあってはいけない。長期、中期ビジョンを言葉だけで共有しようとしても、十分とは言えないだろう。言葉の解釈は一人ひとり異なる。一つひとつの言葉に対し明確に定義づけを行っても、各自の頭の中には異なるイメージが浮かんでいるに違いない。
言葉+ビジュアル。両方を形に表したものがビジュアリゼーションである。僕には絵を描くという能力がないため、自分でつくる場合にはコラージュのような作成方法となる。社内でこれまでにつくられたビジュアリゼーションは、コラージュとイラストを組み合わせたものが多い。
他社の事例としては、中同協「経営指針成文化と実践の手引き」41~42ページに掲載されているものが素晴らしい。このようなものができるということは、ビジョンがしっかり描かれているからに他ならない。イラスト作成能力以前の問題と言える。我が社にもこのようなビジュアリゼーションが必要だ。絵を描ける人は我が社に何人もいる。写真や動画で表すことのできる人もいる。求められているのは、頭の中で細部までビジョンを描くことである。
21年前、僕がソーゴー印刷に入社したばかりの頃、「ウチの会社のビジョンは何ですか?」と質問され、ちゃんとした回答ができなかったことがある。入社したてとはいえ、入社時の僕の肩書きは副社長だった。社員の質問に答える義務があった。そこから、懸命にビジョンを描こうと努力したが、ある程度まとまるまで2年以上を要した。
今も同じようなことが起こっている。もちろん、2年はかからない。20年以上考え続けてきたこと。努力すべきは、ビジョンの共有。まずは役員間で共有し、幹部・リーダー、さらに全社員での共有できるようにすることだろう。