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第3回 言葉と企業文化

第3回 言葉と企業文化

おはようございます。
 昨日もミーティングと会議の日。隙間の時間を使って、いくつかの作業を進めていきました。「写真家的文章作成技法」もほぼ形になった。校正者のチェックを経て、もうすぐ印刷です。
 今週の朝礼で「我々は言葉を扱う仕事をしているのだから、言葉の質を高めていきたい」といった趣旨の話を誰かがしていました。まったくその通りですね。僕らが使っている言葉は我が社の企業文化と密接に関係している。ならば、言葉の質を高めることによって、企業文化を洗練させていくことができるといえるでしょう。

言葉を変えることで環境・状況が変わる

ピンとこない人もいるかもしれませんが、自分の使う言葉によって、人生はよくも悪くもなる。ある程度人生経験の長い人であれば、自分の人生を振り返って、何となく自覚していることではないかと思います。
 僕の人生の中にも「あのときあのように言わなければよかった……」と思うような出来事があります。それは「出来事」というよりも、ほんのささいなシーン。けれども何10年たっても覚えている。きっと誰にもそうした記憶があるに違いありません。
 そうした出来事があるため、今の自分は「言葉に気をつけよう」という気持ちになっているとも考えられます。失敗を経験しなければ、人は本当の意味では学ばないもの。僕の場合は失敗して学んだつもりになっていても、やはりまた失敗することがあります。学習速度が遅いようです。ただ、失敗を繰り返すうちに、言葉の質は多少なりとも高まっていくもの。今はそれでよしとしましょう。
 言うまでもないことですが、言葉の質を高めることは「です」を「ございます」に変えるといったことではありません。「です・ます調」でも「だ・である調」でも構わない(相手やシーンによりますが)。自分の身になっていない借り物の言葉では何の意味もないわけで、自分のふだん使いの言葉を洗練させていくことが大事なのではないかと思います。
 ふだんの言葉を洗練させる。これはさほど難しいことではありません。言い回しを一段階だけていねいなものに変える。これだけでも、言葉の質はずいぶん高まった印象になる。
 あるいは、使う言葉は同じであっても、声質を変えることで質を高めることも可能でしょう。強く言い放つのではなく、語尾をソフトにする。走行中の車を停止させるとき、車が止まる直前に少しブレーキを緩めるとショックが和らぐ。それと同じ。少し力を抜くだけで、相手はソフトに言葉を受け止めてくれるもの。
 そうしたちょっとした気遣いがあると、社内のコミュニケーションは円滑になっていきますし、企業文化は洗練されていくことになる。僕が言うまでもなく、こうしたことを当たり前のように実践している人が社内には多い。大変ありがたいことです。

自分の発する言葉は自分の耳でも聞いています。オートクラインと言いますが、これが自分の気持ちや行動に大きく作用し、結果的には人生に少なからぬ影響を及ぼします。
 粗雑な言葉を使っていると、粗雑な仕事、粗雑な人間関係をつくりやすくなる。乱暴な言葉を使うと、トラブルが頻繁に起こるようになっていくものです。
 少しわかりにくいのは、粗雑でも乱暴でもなく、「つい消極的な言葉を使ってしまう」という人。「人」というよりも、「状態」といったほうが正確かもしれません。ふだん前向きで積極的な人であっても、環境や状況によって消極的になることがある。もちろん、僕にもそういう状況に陥ることがあります。
 連休中の片付けと船旅で疲労がたまっていたせいか、ここ数日の僕の言動の中には若干消極的な部分があったような気がします。体のコンディションと言葉も密接な関係がありますから、年をとって体力が衰えていくと、自分の発する言葉にはさらに注意しなければなりません。死を迎える最期の瞬間まで言葉は前向きであるべきですね。
 それはだいぶ先の話として、今考えるべきことは「自分の状態管理」にあります。
 環境や状況は自分自身では変えられないかもしれませんが、自分の言葉を変えることによって、周囲の環境や今の状況にプラスの影響を及ぼすことができる。直接的には無理でも、間接的には環境・状況を変えることができるのです。古くはデール・カーネギーが同様のことを「人を動かす」に書いていたと思います。言葉が自分自身、そして周囲に与える影響は小さくない。

僕がソーゴー印刷に入社して以来ずっと考え続けていること。それは「言葉の質を高めて企業文化を洗練させていくこと」なんですね。カジュアルな言葉を使いながら、そこに豊かな知性や好ましい人格が表現されている……。そんな企業文化が形成されていくことが理想的。まだまだ道半ばではありますが、少しずつよい方向へ向かっていると考えています。
 それには出版物を発行し続けているという理由が大きい。雑誌にしても書籍にしても、そこで使われる言葉はプラスの言葉であったり、明るく前向きな言葉であることが多い。出版には限りませんが、情報発信活動を積極的に行っていけば、言葉による企業文化の向上はさほど難しいことではないでしょう。どんな業種の会社であっても可能なはず。
 企業と個人は密接に関係していますから、企業文化を洗練させていけば、個人にも好ましい影響を及ぼすことになるでしょう。社員にとっては「自分の人生が豊かでハッピーになること」が一番の願い。会社はそれを実現させるためのステージのひとつ(もうひとつはプライベートにおけるステージ)。
 企業文化を洗練させ、個人の成長を促していけば、成長した個人がさらなる企業文化発展に貢献してくれることになる。
 言葉の質を変えるのにコストはかかりません。一番簡単で効果の高い職場環境改革ではないかと思います。 

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