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紙の本と電子書籍03 紙の本と電子書籍の市場規模

紙の本と電子書籍03 紙の本と電子書籍の市場規模

おはようございます。
 午前中は事務的作業と写真選び。机に向かっていると、素敵なプレゼントが中川町のとある方から送られてきた。11時半昼食。12時半、我が家でオンラインツアーのリハーサル。昨年から、自宅ミーティングルームはスタジオとしても使われるようになった。リハーサルの間、僕は書斎で社内報の原稿作成。4000字ほど進んだ。5時半、送られてきた鮭を三枚におろす。1年経つとやり方をすっかり忘れる。ネットで調べ、プリントアウトした資料を見ながら作業する。変なところに力が入るためか、妙に背中が凝る。7時夕食。

紙の本と電子書籍の市場規模

僕が直接聞いた範囲では、電子書籍を日常的に読んでいるという人は圧倒的に少ない。そもそも「本=紙媒体」という概念があるため、「紙の本」という言い方をする人はほとんどいない。
 本当のところ、どうなのだろう? そう思って出版市場規模を確かめてみたら、「紙+電子」で1兆6168億円(2020年)であるという。うち電子書籍は3931億円。電子書籍が24.3%を占めるようになった。この数字を見て、かなり普及が進んでいる……と思ってはいけない。これには電子コミックの数字が含まれている。電子コミックは3420億円。一方、僕らがつくりたいと思っている電子書籍(いわゆる文字物)や電子雑誌は、それぞれ401億円と110億円。市場全体から見ると、まだまだ占有率は低い。
 ここで示した統計は「2020年」。「2020年度」で調べると、電子書籍4821億円というデータもある。3ヵ月調査時期がずれただけで890億円も伸びるとは考えにくい。統計の取り方が違うのかもしれない。
 ただ、いずれにしても電子書籍は着実に普及している。2020年はコロナ禍による巣ごもり消費で伸びたという側面がある。それでも10年連続右肩上がり。2025年度の電子書籍市場規模は6747億円と予想されている(インプレス「電子書籍ビジネス調査報告書2021」)。
 紙+電子書籍の出版市場規模は、2年連続のプラス成長となった。だが、紙の雑誌は依然減少傾向。紙の書籍は横ばいといったところ。一番伸びているのはやはり電子コミック。電子雑誌は減少。文字物の電子書籍は地味ではあるが着実に伸びている。全体の規模を押し上げているのは電子コミックということになる。
 だいたい想像通りの数字だが、電子書籍には無料本があったり、価格が低く設定されていることが多いことを忘れてはいけない。また、電子書籍に含めてよいのかどうか、わかりにくい「書籍」もある。たとえば、僕はたまに有料でPDFのデータを購入する。そのサイトには「電子書籍」と書いてある。これはたぶん統計には含まれていないはずだ。単純に見るとコミックを除く電子書籍普及率はひと桁台だが、電子書籍の読者はもう少し多いのではないかと想像している。まだ、ビジネスモデルを模索中ということなのだろう。
 おもしろいのは、オーディオブック利用経験者が6.9%、「利用したいと思う」が17.9%いることである(インプレス「電子書籍ビジネス調査報告書2021」)。ほぼ4人に1人がオーディオブックに関心を持っている。比較しにくいが、電子書籍と似たような普及状況にあるようだ。僕が発見した最強の読書法(大袈裟かな?)は、電子書籍を読みながら同時に読み上げソフトを活用するという方法。そんな読書スタイルが今後広がっていくことになるのかもしれない。
 新商品・新サービスが普及するには、市場全体の16%に受け入れられることが重要と言われている(イノベーター理論)。電子書籍もオーディオブックもまだそこには到達していない。だが、16%を超えると急速に普及することになる(理論上は)。僕の考えでは、電子コミックを読んでいる子供・若者がビジネス書を読むようになる頃だろう。紙の本と電子書籍、両方バランスよく読む人をいかに増やすか。そこが課題である。

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