
おはようございます。
午前9時出社。今期は出社日を増やすことにした。午後は3社を訪問。中小企業家同友会とかち支部次年度について。6時帰宅。やり残している仕事がいくつもある。メールの返事をし忘れているものがある。出張前にチェックしなければならない。
エクササイズ
今、僕の目の前に広がっている風景はかつて見たことのある風景。そして、今起こっている現象はかつて経験したことのある現象。そう感じることが実に多い。その最たるものが僕の考える「20年周期説」であり、昨年あたりから20年前とほとんど同じように物事が展開している。ビックリするくらい符合するものがある。20年前と似たような感覚、感情がよみがえってくる。
加えて、20年周期には当てはまらない「かつて見た風景」もいくつかある。そのひとつが「リアルショップ」だ。現段階では我が社に常設のリアルショップはない。だが、イベント「スロウ村の仲間たち」から派生して、期間限定でショップに近い形態により、さまざまな商品を販売する機会が増えている。
昨日、10月13日から大丸札幌店で「スロウなお買い物展」が始まった(19日まで)。今年6月にも幕別町のMAKURAで同名のイベントが開催されている。SNSに投稿された写真を見ると、けっこうショップっぽい。僕の脳裏に26年前の記憶がよみがえってきた。詳細は省くが、26年前、僕らは東京の西荻窪にストリート系のセレクトショップを開店し、その後、経営計画もないまま代官山、北九州に出店したのだった。今から考えると無謀であり、結果は最初から見えていた。高い授業料を払い、貴重な教訓を得た。
その教訓がソーゴー印刷の仕事に役立っているのかどうかはわからない。ただ、少なくとも、経営計画の重要性はハッキリと認識した。2002年から作成し、経営発表大会を開催するようになった。
リアルショップに対しては当然ながら慎重な考えを持っている。関係者の中でも僕が一番慎重派だろう。だが、2013年の「スロウ村の仲間たち」第1回目開催以来、イベント形式での商品販売のノウハウを積み重ねてきた。その意味では、もう8年もエクササイズを続けてきたことになる。
長い間、受注産業に身を置いてきたためか、在庫をストックして自ら販売するというビジネスに慎重すぎる自分がいる。一方、「ショップをやりたい」という社員もいる。そうした人を見ると26年前の自分と比べてしまうことがある。中長期的な視点を持っているのだろうか? ビジネスには瞬発力も必要だが、情熱が持続し、事業に永続性がなければ意味がない。冷静さと合理性も当然求められる。損益分岐点売上高という言葉すら知らなかった26年前の僕が、うまくいかなかったのは当然のことだった。
今、スロウ編集部の関係者を見ると、ほぼ全員、理解しているものと思われる。変動費と固定費。そして、固定費÷限界利益率=損益分岐点売上高。商品知識は当然ながら持っている。丹念に取材しているのだから、誰よりも持っていると言って差し支えない。26年前の弱点は克服されつつある。
20数年前には「単なる失敗」と捉え、もうこりごりといった感覚を持っていたものが、形を変えてよみがえってくる。そうしたものがいくつかある。リアルショップもそのひとつだろう。そういえば、通販もそうだ。26年前には電話で通販を受け付けていた。一時期は、エレベーターに乗らないほどの個数が売れ、専用の包装資材をつくるほどだった。当時の僕にとって巨大なお金が頭上を通過し、手元にはほとんど残らなかった。
これも貴重な教訓だ。利益率が低いのに売上が伸びていくというのは危険なパターン。そう知ったのはソーゴー印刷入社後、経営の勉強をするようになってからのこと。ちょっとタイミングは遅れ気味なのだが、過去の経験は役に立つ。成功体験も失敗体験も役立つのだから、人生に失敗はないと言えるのかもしれない。