
おはようございます。
午前10時からミーティング2件。昼は帯広ロータリークラブ例会。午後2時出社。ミーティング他。4時帰宅。5時、中小企業家同友会とかち支部組織企画委員会にZOOMで参加。6時50分終了。ZOOMを切り替え、7時からは農商工連携部会10月例会。講師はSPACE COTAN(株)代表取締役兼CEOの小田切義憲氏。「北海道に宇宙版シリコンバレーをつくる」というテーマ。スケールの大きな話だが、妙にリアリティを感じるところがある。大樹町、そして十勝の可能性を実感する講演だった。
見える化
「見える化」という言葉、いつから使われるようになったのだろう? ふと気になって調べてみると、1998年であることがわかった。トヨタ自動車が発表した論文「生産保全活動の実態の見える化」が最初のようだ。業務の現状・進捗・実績を常に見えるようにすること。それにより、組織の体質改善や業務改善の継続的な取り組みにつなげていくのが目的だ。
僕がソーゴー印刷に入社したばかりの2020年には「見える化」という言葉はほとんど使われておらず、近い言葉として「ナレッジマネジメント」という言葉があった。もちろん、今も使われている言葉。その手法としてSECI(セキ)モデルが知られている。これはいい。そう思って本を読むなどした。だが、十分活用できぬまま今に至っている。
見える化は2000年代後半からだと思うが、印刷業界の中で盛んに取り入れられるようになった。2010年頃には見える化で成果を上げている2社を見学に行った。名古屋と東京の同業者。その緻密さに驚いた。これほど厳密に働きぶりを管理するものなのか……。現場を見学し、話を伺って、感心すると同時に少し重たい気持ちになるのを僕は感じていた。
緻密すぎるシステムは我が社にはなじまないだろうな。そのときの考えは今もほとんど変わっていない。我が社に「緻密」という言葉はなじまない。緻密よりも蜂蜜のほうがしっくりくる。ちょっと甘いが体によい。そんな自社に合ったシステムはないものか? それから10年。コロナ禍になって、急速に見える化の必要性を感じるようになり、緻密ではない見える化が実現しそうなシステムのあり方が少しわかるようになってきた。
会社組織には見える部分と見えない部分とがある。見えない部分が多すぎると生産性の非常に低い組織となってしまう。逆に見えすぎると、社員の多くはきっと窮屈に感じるようになるのではないか。個人差もあるだろう。しっかり管理されているほうが働きやすいと感じる人もいる。反対に、束縛されず自由に働きたいと感じている人もいるはずだ。
どこまで見える化するのか。ここが重要だ。「見える化」という言葉は使われていなかったが、21年前、我が社が工程管理システムを導入した際の検討課題のひとつだった。僕が入社する直前のことだった。
すべて見られては困るが、自分のことを知ってほしい。それが人間の本音ではないかと思う。これは社員も管理職も経営者も同じ。社内が今どんな状態にあるのか可視化したい。WEBカメラを設置したらどうか……という話になったことがある。少しだけ使って、その後まったく使われなくなった。たぶん「見られる」という企業文化がないためだろう。確かに、我が社にはなじまないかもしれない。
数値面での見える化は一歩ずつ進みつつある。我が社は印刷会社ではあるが、印刷以外の仕事が本業という社員が増えてきている。このため、印刷業界特有の常識に対する疑問が湧き起こり、業界の見えない部分が解き明かされようとしている。どの業界にも複雑で「素人にはわかりっこない」という部分が存在する。だが、そこを見える化することで業態を変えていくことができるに違いない。生産性の面だけではなく、見える化することで異業種と連携しやすい会社になっていくのではないかと思う。