おはようございます。
昨日の午後は北見にいました。北海道中小企業家同友会オホーツク支部新年交礼会。本別まではK氏の車、本別から北見まではM氏(この日の講師でもある)の車に乗せてもらいました。おかげで講演会後の懇親会では、僕だけお酒を飲むという特典(?)を得ることに。実にラッキーでした。
僕は地元十勝だけではなく、遠方で行われる勉強会、研修、各種会議といったものにときどき参加しています。中には義務的なものもあるのですが、必ずと言ってよいほど特典がある。お酒のことではありません。重要な情報や考え方に出合う確率が非常に高いのです。ですから、時間とコストをかけてでも積極的に参加しようと思っています。
人生や企業経営において「果実」を求めるのであれば、「果樹」を見つけることが大切ですね。身近なところにも果樹はありますが、樹種の異なる木には別な味の実がなっているはず。さまざまな果実を味わいたいものです。
そんなわけで、今回のテーマは「果樹あるか?」としてみました。これが文章作成技法と何の関係があるのか、不思議に思われることでしょう。実は何の関係もないのです。
今日お伝えしたいことは、「カジュアルな文章を書くにはどうすればよいか」ということ。ぜひ、カジュアルな文章作法を身につけて、文章力という果実を手にしていただきたいと思います。
読み手がほしいのは「価値ある情報」という果実
僕は東京に住んでいた2000年5月まで、「Tシャツ+短パン」で仕事をしていました(当時39歳)。5月から10月末までは、だいたいこのスタイル。仕事場は西荻窪でしたが、仕事でどこへ行くにもこの格好。日常的に背広を着るようになったのは、39歳の終わり、帯広へUターンしてからのことです。
今は背広半分、カジュアル半分。ちょうどいいバランスだと思います。ネクタイにも少し慣れてきました。ただ、ソーゴー印刷に入社たとき思ったのは、「ネクタイとはなんと窮屈なことか!」ということ。「いつの日か、全員アロハ、またはかりゆしウエアで働く会社にしてやろう」と決意しました。地球温暖化が進んでいますから、そう遠くない将来、実現するかもしれません。
同じように、自分の書く文章のほうも、できるだけカジュアルに書きたいと考えています。ただ、立場上カジュアルに書けない場合も多い。自分の性格と役職がどうもマッチしていません。そして、10数年社長業を続けてきた結果、驚くべき現象が・・・。そう、自分の書く文章が「背広化している」。これは気をつけねばなりませんね。
今回提唱したいのは、「いかなる立場の人もカジュアルな文体で書く」ということです。
なぜか? 堅苦しい文章は誰も読みたくはないのです。やさしく、親しみがあり、少し笑わせてくれるような文章を人々は求めている。僕はそう信じているんですね。カジュアルな文体の中に、伝えたいメッセージが込められている。そんな文章が理想といえます。
立派な文体で立派な文章を書いても、読んでもらえなければ何も伝わらない。日本語的として正しく正確に情報を伝えたとしても、それだけでは意味がないのです。
誤解を恐れずに言いましょう。多少日本語として変であっても、読みたくなるような文体で書かれているほうが、読み手にとっては価値があるのです。意味のない言葉で飾るのではなく、カジュアルな書き方を心がける。そうすることで、書き手と読み手の心理的距離は縮まっていくことになるのです。
カジュアルに書くにはどうするか? 方法は簡単ですが、きっと慣れるまでに時間がかかる人がいると思います。
「話すように書く」。これですね。実際のところ、話し言葉と文章との間には大きな隔たりがあります。それでも、「目の前に自分の文章を読んでくれている人がいる」とイメージしてみてください。語りかけるように、ささやくように、ときには笑わせようと思って書いてみたいと思いませんか?
これまで8回に渡って書いてきた「写真家的文章作成技法」には、たぶん日本語として変なところがいくつもあるのではないかと思います。「ここはおかしい」と自覚している部分もありますし、自分の無知ゆえにスルーしている箇所もあるでしょう。
少し変であっても、自分の気持ちとしては変ではない。そういう書き方をすると、カジュアルな文体に近づいていくはずです。「少し変」という部分を残しながらも、「わかってほしい」という気持ちを強く持って、ていねいに、熱心に伝えていく。僕はそのような書き方を大切にしています。
お酒に例えれば、日本酒の「おり(滓)」のようなもの。個人的には、おりがゆらゆらしているお酒が好きですね。白濁したり、沈殿しているもの。これをすべて排除するよりも、ちょっと残っている状態のほうがお酒も文章も味わい深いと思うのです。
明日は、具体的に「カジュアルな文章を書く方法」についてお伝えしましょう。
あ、ちなみに我が家の自家製梅酒は格別な味わいです。果実酒を味わいながらパソコンに向かうと、カジュアルな文章が書けるようになるかもしれません。