
おはようございます。
雨ですね。気温も低い。山沿いは雪になるのでしょうか? そんな中、午前8時過ぎから、ある場所で片付け作業を行う予定です。
昨日は帯広経営研究会5月例会の日でした。経営発表の例会。全道、全国経営発表大会同様、50分の発表に続いて、質疑応答、アドバイスが行われました。
規模の大きなS社T社長による経営発表。社歴の重みと改革にかける決意のようなものを感じる発表でした。社歴からはさまざまなことがわかるものです。成長期にはチャレンジ精神がみなぎっている。我が社の社歴を見ても成長期には勢いがあります。成熟期に入ると、守りに入ったり、失敗を恐れるような傾向が出てくる。それが人間の心理でしょう。とはいえ、ここでさらにチャレンジできるかどうか。ここが重要なポイントになってくるのではないかと思います。
我が社にとっても見習うべき点の多い経営発表でした。
会社員にはチャレンジできる環境が整っている
普通に考えると、チャレンジ精神旺盛なのは20代、30代の人でしょう。失敗しても失うものが少ない。そして、取り戻すチャンスがいっぱいある。だから、若手と呼ばれている年代のうちに、どんどんチャレンジしていくほうがよいと僕は思っています。
若手なのに最初から守りに入ってしまっているようなタイプの人には、どうしても魅力を感じません。能力が高いのに、妙に守りに入っていると感じさせる人もたまにいるものです。そうした人は10代のうちにチャレンジが終わってしまったのかもしれません。あるいは、ある時期がやってくると、突如チャレンジャーになるのでしょうか?
企業も法人という「人」ですから、チャレンジ精神旺盛な時期と停滞している時期とがあるものです。たぶん、辛抱強くタイミングを待つべき期間も設けるべきでしょう。我が社はさほど辛抱強くはない会社なので、チャレンジを小出しにする傾向があるかもしれません。このあたり、経営者としてどのように評価したらよいのか、わからなくなることがあります。
僕は全社活動とかチームワークといったものを重んじていますが、それは経営者という立場上それが必要だと考えているからのこと。本当は自己完結型の仕事をしたいと思っている人間です。それは16歳のとき写真を志したときから、ほとんど変わっていません。
会社組織として業績を上げていくには、個人のチャレンジ精神こそ重要だと思っているのです。チームの中にはフォロワーに徹するという人がいてもよいし、チャレンジよりもブレーキ役になることで持ち味を発揮するという人もいるでしょう。いろいろなタイプの人がいてもよい。けれども、一部のチャレンジャーな人の持つ情熱が新しい何かを生み出し、自社に変革をもたらすのだと思います。
それは社長であることもあれば、一社員というケースもあるでしょう。若手の中から変革の嵐が湧き起こってくると会社はおもしろいことになるに違いありません。
社運がかかっているような大きなチャレンジはトップの責任で行われるべきものです。アイデアを出すのは若手でも新入社員でも構わない。ただ、計画全体を把握し、実行するにあたってはトップダウンに近い形が採られるべきでしょう。我が社の看板商品のひとつである月刊しゅんは、20年前、強力なトップダウンから生まれた商品です。
企業には、10年に一度くらい、そうした大きなチャレンジが必要だと思います(もっと頻繁に起こすべきか?)。
その一方、小さなチャレンジは絶えず行われていなければなりません。ごく微細なチャレンジから、中くらいのチャレンジまで。これらが常に社内のどこかで行われている。そんな状態をつくり出したいと僕は考えています。
我が社の場合は、今のところ、だいたいそのようになっているような気がします。チャレンジ精神を持った人が社内に何人かいる。そうした人たちは、たぶん「チャレンジ」と「勝手な行動」との違いをよく理解しているはず。ここをはき違えると大変なことになります。
おもしろいと思うのは、小さなチャレンジのつもりだったことが、いつの間にか大きなチャレンジに成長していった……というパターンですね。これがたまに起こりうる。
これから大きくなるかもしれないと思うものは、たとえばマレーシア向けフリーマガジン「Slow Life HOKKAIDO」。JICAの草の根協力事業が出発点だったと記憶しています。そこに深く関わるうちに、英語版の北海道旅行誌を作ることになっていった。
アイデア、出会い、行動力、継続力。こういったものが絡み合って、チャレンジャーな仕事の仕方になっていくもの。そうした芽は我が社の中にいくつもありますし、おそらく他社の中にもたくさん隠れているに違いありません。
僕はそんなふうに考えていますから、できるだけ個人のやりたいことを妨げないよう注意しています。ただ、よほど注意しないと僕の中にある保守的な心理がブレーキをかけようとする。40歳くらいを境目に、僕は自分が保守化していることに気づきました。
つまり、ソーゴー印刷に入社してからは、ずっと保守的な方向へ流されやすい状態なのです。周囲からの見え方としては、そこそこ革新的で新しいものが好きなタイプに思われているでしょう。ただ、これは内面的葛藤の末、チャレンジャーな方向へ自分を向かわせているだけなのです。
世の中は急速に変わり続けています。20歳でも、40代でも、60歳の人でもチャレンジ精神を持ち続けなければなりません。チャレンジとギャンブルとは別物。失敗を恐れる必要はありません。
特に、企業内でチャレンジする場合は、最終責任は社長が負うことになるわけです。実行責任は自分が追うことになりますが、結果によって責められることはない。責められるとすれば、実行しなかったことによるもの。会社員ほど、チャレンジャーになれる環境はありません。僕はそう思っています。