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写真家的業務改善行動83 デジタルかアナログか

写真家的業務改善行動83 デジタルかアナログか

おはようございます。
 昼過ぎまでゆっくり過ごす。仕事は午後2時頃から。写真セレクト作業と事務的な作業。作業の合間を縫って、書斎を片付ける。積み重なっていた書類がペーパーホルダーと山根式袋ファイルに収められていく。夕方、鹿肉料理をつくる。こんな作り方でおいしくできるのだろうか……と不安だったが、想像以上の味になった。

デジタル化できないもの

あらゆる資料がクラウド上に整理・保管され、いつでも好きなときに取り出せる。そして、必要なページを即座に表示させることができる……。そのようになってれば理想的なのですが、デジタル化してもそうはならないものです。これは人間の脳がアナログだからでしょう。
 必要とする情報は確かあのあたりにあったはず……。何となく「あのあたり」という曖昧な感覚を頼りに探すことが多い。パソコン上でも「あのあたり」を探すのですが、検索するにはキーワードが必要となります。的確なキーワードを打ち込めばすぐに見つかる。デジタル化したことで見つかりやすくなった情報もあれば、自分の感覚に頼るほうが見つけやすい情報もあります。つまり、紙とデジタル、2系統で情報管理をする必要がある。何でもかんでもデジタル化してしまうと、二度と取り出せなくなるかもしれません。
 必要な情報が見つかったとしても、企画を立てたり、原稿を書くには、デジタル文書では不便なことがあります。画面には1ページ分、または見開き2ページしか表示できない。それ以上のページを表示させることもできるでしょうが、文字が小さくなって実用的ではありません。この場合は紙の文書が断然有利。机に並べたり、ホワイトボードに貼るなどして、一覧することができる。これはデジタルにはない強み。このため、スキャンスナップで一度デジタル化した文書を再度プリントアウトすることもあります。無駄のように思えますが、これも必要と割り切るほうがよいでしょう。
 業務効率化を求めてデジタル化できるものはデジタル化する。当然そうあるべきなのですが、アイデアをまとめたり、原稿を執筆するためには、アナログな工程が欠かせないものです。
 僕の机の上には3サイズの付箋紙が置かれています。何か頭に浮かんだら、すぐさま付箋紙に書く。これが数秒遅れるとすっかり忘れてしまう。付箋紙+ペンであれば、1.5秒くらいで書く態勢を整えることができます。この場合のペンは、ノック式でなければなりません。付箋紙の代わりに、電子メモパッドを使うこともあります。
 パソコンにも付箋紙アプリがあるのですが、僕には使いこなせませんでした。やはり、一瞬頭に浮かんだアイデアを定着させるには手書きがいい。文字の大きさ、筆圧、字のきれいさ。書いたときの状態がわかると発想が広がっていく。WorkFlowy(アウトライナーソフト)を使って思考をまとめていくのはその後。アイデアが皆無の状態からWorkFlowyを使い始めることはありません。
 デジタルネイティブ世代の人たちは、きっと僕とは異なるプロセスによってアイデアを形にしていることでしょう。すべての仕事がスマホとパソコンで完結するのであれば、それはそれで素晴らしい。そのような仕事の仕方をマスターすれば、僕の机の上もスッキリするに違いありません。
 だだ、さまざまなアイデアが有機的に結びついて、大きな構想へ発展させていくにはアナログなプロセスが欠かせない。付箋紙からはじまり、ホワイトボード上で整理するといった、昔ながらのやり方が案外重要といえます。WorkFlowyからいきなりパワーポイントにまとめていくと、重要な何かが抜け落ちてしまうことがある。時間を惜しんでショートカットすると、表面をなぞったような企画や原稿となるものです。アナログな時代に生まれ育った人にはアナログなツールが必要といえそうです。

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