
おはようございます。
昨夜から今朝にかけて、昏々と眠りました。昨日はほぼ一日、空き家になっている実家の片付け作業を行っていたのです。
ずいぶん長い間放置していました。数年前に2、3度片付け作業をしましたが、途方もない分量の荷物があって、恐れおののき、しばらく立ち向かう気力が湧かなかったというのが正直なところ。
しかし、昨年末あたりから僕のまわりで急速に物事が進み出しました。この流れに乗って、「一気に進めてしまおう」という気持ちへと変化。タイミングのよいことに、プレス製本課のK氏が「やりましょう」と言ってくれたため、今回の大規模な片付け作業が実現しました。
メンバーはプレス製本課を中心とする8名(僕とM氏を含む)。これだけいればあっという間に片付くだろう……と思いきや、それほど簡単ではありません。出るわ出るわ。「収納スペースの多い家は最後が大変だ」と強烈に認識しました。これだけで一冊本がかけそうなほど、不思議なものが出てきましたし、奇妙な収納方法を発見。
ひと言で言ってしまえば、「僕の片付け能力のなさは遺伝だった」ということでしょう。実家にいた頃は家が広すぎて気づきませんでした。
8人がかりで朝8時半スタート、午後5時頃終了。くりりんセンター(家庭ゴミ受け入れ施設)3往復。これでやっと全体の1/3といったところでしょうか。実にやり甲斐のある作業です。
身軽な状態をつくる
昨日得た教訓は、単純に「物を持ちすぎてはいけない」ということでした。後で使えるかもしれない……。この気持ちに流されて、物を捨てずにいると、後年ボディブローのように効いてくる。僕も何度も痛い目に遭ってきている。ただ、僕の場合は15回くらい引っ越しを繰り返してきましたから、引っ越しのタイミングで捨てることができた。同じ家に10年、20年住む場合は気を引き締めなければなりません。
何かを買ったら、同じ分量の荷物を処分する。このくらいの気構えが必要だ。そう決意しました。先月末から、自宅、所沢、西荻窪、実家の4ヵ所で大規模な片付け作業を行ってきました。最終的な結論は、「自分で管理できない分量の物を持つべきではない」ということですね。
不動産にしても同様で、自分で管理できない土地、建物を持つと、固定資産税も重いし、気も重くなってくる。これが軽快なフットワークを妨げる一因になっていたような気がします。西荻窪の遊文館ビル売却と荷物の大量処分を通じて、ずいぶん身軽になってきました。登山にたとえれば、4合目といったところでしょうか。まだまだですね。
企業経営にも同じようなことが当てはまるのではないかと考えています。これは経営者の考え方や器の大きさによって異なるでしょう。
僕の場合、もともと経営者タイプではない人間。スペシャリスト志向が強く、本来は自分の思い通りのもの以外は作りたくないと考えています。ただ、そう言ってしまうと経済活動はできませんし、会社を維持することも不可能になってきます。したがって、社内で僕が誰かの仕事に口出しをすることはほとんどありません。
ただ、ある程度は仕事ぶりを把握していないと、会社全体がおかしな方向へ向かってしまう可能性がある。そこで会社全体を見ようとする。ところが、僕の目は近視で乱視が混じっているせいか、遠いところになると鮮明に見えないんですね。社員数70名規模の会社が精一杯というところ。これ以上の人数になると、たぶん僕の目にはぼやけて映る人が多数出てくることになるでしょう。
目のいい人、器の大きな人、優れた経営手腕を持った人の場合、規模は大きくても構わないわけです。僕のようなタイプの経営者でも、中小規模の企業をグループ化させていき、それぞれにちゃんとした経営者を配置することで全体の規模を大きくするという方法があるでしょう。我が社の将来の事業展開を考えていくと、そうした道も十分考えられますね。
危険なのは、「人が育たないのに規模が膨張する」とか「必然性がないのに事業領域が拡大する」といったこと。よく考えてコントロールしないと、余計なものを抱え込んで重圧を感じるようになっていく。僕も過去に経験しています。
個人の場合もだいたい一緒ですね。
30代前半くらいまではどんどん拡大していっても、体力でカバーすることができます。「やりたいことで実現していないこと」がいっぱいありますから、拡大志向になるのは自然なこと。大いにチャレンジすべきだと思います。
30代半ばになってくると、「本当は何をやりたいのか」「自分の仕事人生はどうあるべきなのか」といったことについて、20代のときよりも真剣に考えるようになるでしょう。そうして、自分の持っている能力、技術、知識を整理整頓する。本当にやりたいことが見つからないという人もいます。また、やりたいことがいっぱいありすぎて絞り込めないという人もいる。
これは人生における片付け能力の欠如といってよいのかもしれません。僕の場合は幸いなことに、物の片付け能力が欠如している代わりに、やりたいことは明確でした。当社の創業者(父)も目的は明確だったはずです。
企業規模が大きすぎない会社、または規模は大きくとも各所にマネジメント能力の高い幹部が配置されている会社。こうした会社に入社した人はおそらく幸運です。仕事における人生ビジョンが明確になり、本当にやりたいことの実現やなりたい自分になることができるのではないかと思います。
自分の所有物は「適量」、自分の活動領域は「適正規模」。それが望ましい。ほどほどの生き方をすべきだ、という意味ではありません。範囲を絞って、100%の力を発揮できる状態にするという意味。思い切った行動をするためには、向かっていく方向がハッキリ定まっていなければならないのです。僕もあと1年かけて適量、適正規模を目指していきます。
