
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
大晦日は本を読んで過ごした。1冊はコロナ禍におけるビジネスに関する本。いくつか参考になる情報があった。もう1冊は電子書籍ビジネス。こちらは目から鱗。電子書籍は紙の本を電子化したものではない。その先にどんな世界が開けているのかよくわかった。2冊読むのに要した時間は約5時間。eインクの電子書籍端末で読み、スマホからSiriで読み上げる。目と耳、同時インプット。途中、ソファで横になって読んだら読書が睡眠学習になっていた。やはり、本はちゃんと椅子に座って読むものだと思った。
我慢からエンジョイ
元旦なので、おめでたいことを書きたいところですが、今年は自社のビジネスについてシビアな視点から見つめ直す必要がありそうです。
これまで、僕らは「よりよい商品をつくりたい」という気持ちで仕事に取り組んできました。おそらく、我が社の大部分の人はそう考えて仕事をしてきたはずです。これは正しいことではあるのですが、それだけでは通用しにくい時代になってきています。
コロナ禍になった2020年春から世界は急速に変化しています。これからは「新しい価値を生み出す」という意識で仕事に取り組んでいかねばなりません。「よりよい商品」は今までのビジネスの延長線上にあるもの。「新しい価値」はこれまでやってこなかったこと。当然、難度は上がります。何をやったらよいのかわからないという人も出てくるでしょう。
最初に考えるべきことは、「これまで何をつくってきたのか」ということよりも、自分、自社は「どんな価値を生み出してきたのか」「地域にどんな影響を与えてきたのか」ということ。自社の能力をリフレーミングするところから、2022年をスタートさせる必要がありそうです。
コロナ禍が3年目に突入し、さすがに「じっとしていればやり過ごせる」と考える人はほとんどいなくなりました。この2年でビジネスも生活も急速に変わりました。「自分はこのままではいけない」と考える人が増えていることでしょう。この大きな変化をチャンスと捉えている人もいるはずです。
コロナはパンデミックからエンデミック(一定地域で普段から継続的に発生する状態)に移行していく、という専門家の予測があります。オミクロン株はエンデミックへの移行過程にある兆候なのだそうです。完全に終息することはなく、コロナと折り合いをつけながら生活することになる。その中で、「元の生活に戻す人」と「用心しながら暮らす人」に分かれていくことでしょう。2022年は用心しながら行動量を増やしていく人が増えていくに違いありません。
昨日読んだ本の中に「我慢からエンジョイへ」という話がありました。多くの日本人はコロナ禍によって我慢し続けてきた。我慢しすぎた結果、思考停止になっている人、企業も少なくありません。我が社も一時期、思考停止状態だったかもしれません。今は違います。どうすればこのような状態の中でも楽しめるのか。我が社ならではの価値を生み出すことができるのか。クリエイティブな発想によって、仕事、暮らしをエンジョイすることが求められているのです。
コロナ禍になってから、変化に対応することばかり考えてきたような気がします。完璧に対応するのは不可能ですから、どこか不足感、不自由感を感じながら、自社としてできる限りの対応をしてきた。このため、ストレスを抱えている人が多いに違いありません。今年は発想を変えてみるべきではないかと思います。変化の一歩先を行き、自ら変化を起こす。といっても、たいそうなものである必要はありません。自社の存在価値、自分の持つ能力をリフレーミングすることでそれは可能でしょう。
僕らは印刷物をつくる、本を出版することを目的に仕事をしているわけではありません。印刷、出版、広告は事業目的を達成するための手段。方法を変えてみることで、新たな印刷、出版、広告事業のあり方が見えてくるのではなかろうか。1月4日の正月休み最終日まで、このことについて考え続けてみようと思っています。