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門外漢の原稿作成技法第52回 長文執筆の4条件

門外漢の原稿作成技法第52回 長文執筆の4条件

おはようございます。
 午前9時から「2022年の年頭にあたって」を書き始める。午前中3時間、午後も3時間。4時頃には一通り書き上がっていた。いったんプリントアウトし、校正する。見出しを入れて、原稿を完成させる。さらに図版を選ぶ。夜中までの作業を覚悟していたが、夕方5時半には目標地点まで到達した。執筆6時間で1万1500字。最速ではないが、なかなかのハイペースだ。

頭の中を情報で満たす

毎回「書けないかもしれない」という気持ちから始まり、気がつくと原稿ができあがっています。河井寛次郎風にいえば、「書けないと思っても書けて居る」ということでしょうか?
 原稿は、書き始める前に書けるかどうか決まっている。「書けないかも」と思ってしまうのは、自分の原稿作成能力にちょっとした疑問を抱いているためであって、書きたいと思う中身に疑問を持っているわけではありません。技術的問題は書きながらクリアできるもの。日本語能力が決定的に欠けている人以外、文章を書くことは可能であるというのが僕の考えです。
 ただ、僕の場合、執筆速度にはずいぶんムラがあります。毎日ブログを書いてトレーニングしているというのに、書ける日と書けない日がある。1万字以上文章を書くには、いくつか条件が整っていなければなりません。
 それは「頭の中が情報で満たされていること」「眠気や眼精疲労がないこと」「他に差し迫った用事がなく集中できること」「締め切りが迫っていて追い詰められていること」の4つ。
 一番辛いのは、眠気や眼精疲労がひどいのに締め切りが迫っているという状態。僕は何度も経験があります。なごみ温、蒸しタオル、マッサージ機で痛み、コリの軽減を図る。さらにハチマキで頭蓋骨を絞める。ハチマキによる眠気解消法は中学生のときに知ったもの。コーヒーよりもチョコレートよりも即効性がある。
 昨日ペースが上がったのは、頭の中の情報量が豊富だったためでしょう。毎年「年頭にあたって」を書く際には、新聞、ビジネス誌、本、ネットの情報等をできるだけたくさん読むようにしています。インプットに時間をかけすぎると執筆する時間が足りなくなる。インプットを終え、いつ書き始めるのかがひとつのポイント。執筆+校正+レイアウト+プリントの合計時間を想定し、タイムリミットを決めます。今年は元旦まで情報インプットに充てました。これがギリギリのスケジュール。
 新聞やビジネス誌はどこを読めばよいかわかっていますし、ネットでは目的を持って検索します。つまり、必要な情報にたどり着くまでさほど時間はかかりません。問題は「本」からの情報。過去数年間、僕は「これからの日本の論点」とか「〇〇年日本はこうなる」といった本に目を通していました。それは確かに必要なことなのですが、毎日新聞を読んでいたらおおよそ把握できる内容。テーマ別に書かれているため便利ではあるものの、真新しい情報はさほどありません。
 今年はもっとマーケティング寄りの本を読むことにしました。1冊読むのは最短でも2時間。ボリュームのある本なら5時間くらいかかります。関係なさそうと思ったら、別な本に取り替えればよいだけの話。大晦日から元旦にかけて4冊読んで、うち3冊が当たりでした。執筆にあたり、数カ所引用しました。僕には金言と思えるような内容が含まれていたのです。
 原稿執筆には限りませんが、絶えずインプットとアウトプットを最大化する。それが好ましい仕事のやり方といえるでしょう。僕の場合、最初に行うのがアウトプットです。自分の知っていること、考えていることを洗いざらい文章化してみる。ブログはそのための手段のひとつ。アウトプットすると頭の中が真空状態のように感じられます。そこで本を読むと、情報が吸収されていくのがわかる。長めの原稿を書く際には、執筆前にできるだけ頭の中を情報で満たす。いつもうまくいくというわけではありませんが、比較的成功率の高い方法と考えています。

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