
おはようございます。
午前9時半、ミーティング。午後1時、同友会事務所。十勝経営者大学運営会議。2時50分出社。3時来客。打ち合わせ等。
紙・電子・オンデマンド出版
電子書籍ビジネスのあり方について、僕の頭の中でずいぶん形になってきた。すでに、紙の本と同じような出版企画はいくつも温めている。だが、「紙の本を電子書籍にする」という発想から抜け出さなければならない。電子書籍にはもっと大きな可能性がある。電子書籍ならではの企画及び機能について考えることが重要だ。それが昨日の朝のうちにおおよそまとまってきたのだった。
電子書籍がどれほど普及しても、多くの人はきっと紙の本を読み続けるに違いない。電子書籍のヘビーユーザーも電子書籍一辺倒というわけではない。電子書籍の便利さを実感しつつ、それでも紙の本を読み続けるだろう。電子書籍(マンガを除く)のユーザーは、読書家、あるいはたくさんの本を読む必要に迫られている人だと思う。
昨日、会社に注文してあった本が3冊届いていた。同じ本3冊。絶版となっている本なので、いずれも古本。封を開けてみると、3冊ともコンディションは良好だった。正月、電子書籍で読んで「これは社内の何人かに読んでもらおう」と思って注文したものだった。取り急ぎ、入手できたのは3冊。あと3冊同じ本が必要だ。社内にもっと電子書籍ユーザーがいれば簡単なのだが、僕の知るところ、我が社には僕以外一人か二人しかいない。電子書籍と紙の本、ハイブリッドな読書家であることが望ましい。
というのも、電子書籍でしか出版されておらず、紙の本が存在しないという本がけっこう多いためだ。「そのような電子書籍は価値が低い」と切り捨てるのは禁物だ。僕は電子書籍のみ発売されている本の中に、案外良書があると思っている。ニッチなテーマであるため、紙の本として成立しにくい。そのような本であって、コンテンツの質とは関係ないのだ。電子書籍によって、これまで日の目を見なかった本を読むことができるようになった。そう考えるべきだろう。
読書に限らず、ほとんどの人は紙媒体と電子媒体の両方を目にしていて、何の違和感も感じずに仕事をしているに違いない。液晶画面を見続けると眼精疲労になるからプリントアウトする。ある年代以上の人なら、そういう人が多いと思う。理想をいうと、カラー表示可能なeインクディスプレイ。登場が待たれるのだが、商品化されたという話は聞いていない。
電子書籍として画面で読んでもよいのだが、紙の本が読みやすい……。資料をプリントアウトするのと同じような理由から、今後はオンデマンド出版が増えていくことになるだろう。すでに数年前(10数年前かもしれない)からオンデマンド出版については話題になっていたが、コストの問題からか、普及しているとは言えない状況だった。
2021年10月、Kindleでオンデマンド出版(ペーパーバック)ができるようになった。まだ2ヵ月あまりしか経過していないため、対応している書籍は多いとはいえない。きっと、今年は一気にタイトル数が増えることになるだろう。今朝、試しに一冊注文してみた。どのような仕上がりなのか、気になるところだ。
紙の本、電子書籍、オンデマンド出版。この3つを軸に、出版ビジネスを考えていく必要がある。そして、電子書籍には紙媒体にはない機能を付加できるから、ビジネスという点では広がりが出てくるに違いない。クロスメディアという視点が欠かせない。
編集者(僕を含む)は、本を世に送り出すとそこでいったん仕事が完結する。その先、売れ行きはもちろん気になるものの、「手が離れた」と思ってしまう傾向にある。その認識を改めなければならない。今読んでいる本の中に「米国人は物事の関連性を見つけるよう教育されるが、日本ではそうした思考訓練が弱い」と書かれていた。確かにそうだ。「こうしたら次はこうなる」。そのような仮説、実践、検証がビジネスには欠かせない。出版と関連するものを結びつけていくような思考訓練が必要だろう。
