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第15回 個人的な野望を手助けする

第15回 個人的な野望を手助けする

おはようございます。
 ようやく筋肉痛が治まってきました。今朝起きたら正常な人間になっていた……。そんなさわやかな朝です。
 昨日はどんよりした頭で社内報の原稿とプレゼン資料を仕上げていました。原稿がどんよりしていないことを祈るのみ。資料のほうは、今日の夕方に行われる釧路商工会議所青年部5月例会のためのもの。パワポに向かいながら、「忘れてはいけない大事なこと」について考えていました。

会社と個人、お互いの資源を生かす

その大事なことというのは、「個人的な野望」なんですね。
 野望というと、悪いイメージで捉えている人もきっといることでしょう。辞書には「身のほどを越えた、大きな望み」とあります。ですから、大望と言い換えてもよいのですが、僕にとっては野望のほうがテンションが上がる。「身のほどを越えた」というところに惹かれるのでしょう。
 僕と同じような感覚を持つ人がたまにいます。「これが自分の野望」。そう話すときに、ちょっと力が入ったり、うれしそうだったりする。そう。野望について考えているときって、実にワクワクするものなのです。
 この感覚を我が社の多くの人に味わってもらいたい。僕はそう考えていますから、社内でも個人的な野望を持つことを推奨しています。「野望」というのは僕が好んで使っている言葉。この言葉がしっくりこない人の場合は、人生ビジョンでも大望でも夢でも構いません。できるだけ大きな、そして自分がワクワクするような何かを持ってほしいと思っています。
 このためには「個人的な願望であること」がひとつの鍵を握っているのではないかと考えています。世のため、人のためというのももちろんよいことなのですが、他人のための仕事だけでは飽きてきませんか? 僕は単純にそう思ってしまいます。
 仕事って、本来はそういうものではないはずだと僕は考えています。自分の得意なこと、好きでたまらないことを仕事にし、努力し、一人前となって価値を生み出す。生み出した価値と引き換えに報酬を得る。そのようなもののはず。ですから、得意でないこと、好きではないことをしながら報酬を得るというのは、不本意なことのように思えます。最初のうちは好きにはなれなくても、努力の継続で「好き」「楽しい」「得意」という状況をつくり出すべきです。
 自分の仕事を好きになれば、どこからともなく欲求が湧いてくる。「こんなものをつくりたい」「こんな結果をつくり出したい」といったもの。そうした欲求が自分の中で大きくなっていくと、「野望」になるんですね。ですから、僕にとって野望とは極めて健全な心の動きということになります。

自分個人として成し遂げたいこと。これをしっかりと持ち、仕事を通じて実現させていく。そうした健全な活動ができるような職場づくりを行っていく。我が社にとってこれが基本方針なんですが、この考えが全社に浸透するにはまだ至っていないと思います。
 もうひとつの健全な考えである「会社全体の利益」を優先して考えている人が多いことによるものでしょう。
 「野望」と「会社全体の利益」。両者を対立するものと考えている人が案外多い。ここにちょっとした誤解があります。会社全体の利益を考え、自分の野望や願望を引っ込める。果たしてそれでよいのか? そう問いたいですね。
 もしかすると野望の質に問題があるのかもしれません。僕らの持つべき野望とは、「自分が心から成し遂げたいと思っていること」でありながら、同時に「会社や世の中全体のためになるもの」のこと。野望の実現が周囲のためになるのですから、どこにも対立構造はない。
 野望が質的に高いもの(健全なもの)であれば、むしろ会社としては大いにバックアップすべきだと考えます。我が社では誰も異論を唱える人はいないでしょう。

僕がもっとも恐れているのは、「会社全体の利益」と言いながら自分のやりたいことを引っ込め、昨日と同じことを延々と続けるような働き方をすること。会社員だから自分の好きなことはできない……。頭からそう思い込んでしまうことです。
 逆なんです。会社員だからこそ、自分の好きなことができる。そう発想転換してほしいと僕は思っています。
 自分は今、フリーランスなのだとイメージしてみてください。時間は1日24時間、自分のためだけに使うことができる。けれども、野望を実現させるために設備投資したいと思っても、投資可能額は個人で捻出できる金額に限られるでしょう。技術が足りないと思っても、気軽に貸してくれる人は見つからないかもしれません。
 会社員の場合、「自分の野望=会社全体の利益」と上司を説得できれば、必要な資金も人脈も活用することができるわけです。そして、社内には自分の想像以上に豊富な資源が存在する。東京時代、独立開業した人を何人も見てきましたが、うまくいったという人は実は少ない。会社員は「会社の資源」を資源だと思わずに使っていることが多いのです。独立してから、「あれは貴重な資源だった」と気づく。社員時代に、有効活用していれば野望実現につながっていたかもしれません。
 というわけで、使用可能な資源を最大限活用するということが、会社員には求められます。活用できるかどうかは健全な個人的野望を持っているかどうかにかかっている。
 会社は会社で「社員」という資源を活用しています。一方、社員の人は「会社」という大きな資源を活用しない手はありません。会社はお互いに活用し合うことによって、成長・発展していくものです。それを妨げる人は、我が社においては誰もいないものと信じています。 

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