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門外漢の原稿作成技法第55回 クリティカル思考

門外漢の原稿作成技法第55回 クリティカル思考

おはようございます。
 午前8時半朝礼。9時15分出社。9時半、コア・コンピタンス委員会。12時半帰宅。社内報の原稿をまだ書いていないことに気づかされた。11時から1時間で社内報のコラムを書き上げる。午後は5500字の原稿を書き始める。ややペースが鈍い。時間切れとなる。5時、中小企業家同友会とかち支部組織企画委員会。7時終了。原稿は持ち越し。

物事の相関関係を見つける

社内報原稿のメインテーマではないのですが、今朝になって、僕はクリティカル思考について考えていました。社内報原稿の続きを書いていたのです。原稿は今朝6時に完成しました。
 クリティカル思考という言葉。僕は「限界はあなたの頭の中にある」(ジェイ・エイブラハム著、PHP研究所)という本の中で初めて知りました。言葉を知ったのは初めてでも、意味するところがよくわかります。物事の相関関係を見つける力のこと。本書には、「日本の教育は記憶訓練という点ではすぐれているが、思考訓練が残念ながら不足している」とあります。まったくその通りです。近年では、日本の教育も軌道修正されてきているように思われます。けれども、クリティカル思考や思考訓練という点では、アメリカに大きく後れをとっていることでしょう。どうしてこのようなビジネスモデルが思いつくのか? 諸外国の新ビジネスには驚かされるものが多い。クリティカル思考を使って、こうしたイノベーションをもっと日本から誕生させなければなりません。
 話が別な方向へ進む前に軌道修正します。そう、クリティカル思考こそ、原稿を書く上で必要な能力ではないかと僕は思ったのです。
 文章を書くのが苦手という人は、「日本語能力に課題があるという人」と「伝えたいコンテンツを持っていない人」に大別されるのではないかと思います。日本語力について、僕がアドバイスできることは限られています。その多くは拙著「写真家的文章作成技法」に載っています。
 問題はコンテンツがない人。といっても、何かを伝えたいという意欲は大半の人が持っているはずなのです。人と話をしたい。誰もが持つ欲求です。何かを伝えたいから人と話すに違いありません。
 ただ、話し言葉と文章とでは決定的な違いがある。話し言葉の場合は、話す相手が自分の発する言葉の不足を補ってくれることが多い。ここに会話の特徴があります。また、的外れな言葉であっても、好意的に解釈してくれることがあります。支離滅裂な話だけれど、いわんとするところはこうなのだろう……。聴き手の理解力、解釈力によって助けられることが少なくないのです。
 文章の場合、そのようなわけにはいきません。したがって、情報と情報の関連性を書き手が把握していなければなりません。短い文章の場合、関連は比較的単純なものとなるでしょう。けれども、5000字を超えるようなものや本の執筆ともなると、クリティカル思考を持っているかどうかが重要となる。そして、こうした能力を学校教育の中で十分受けてこなかったというハンデを多くの日本人が持っているわけです。
 昔の学校教育システムを批判しても仕方ありません。社会人として、自分で身につけなければならない能力。これを磨いていくにはどうしたらよいのか? 少し逆説的な言い方になりますが、僕は「文章を書くのが一番」だと思っています。文章を書くにはクリティカル思考が必要。ですが、じっと考えるだけではクリティカル思考にはならない。せめて、考えの断片でも言葉に変換していくことが重要なのです。僕は2006年からブログを書き始め、16年間毎日書き続けています。何か変わったのかというと、断片的な情報が頭の中でつながるようになったこと。これはブログを始めてから半年後に意識し、1年後には確信するようになりました。クリティカル思考は文章を書くことを習慣化すれば、たぶん誰でも身につくもの。
 そのことは、僕の初期のブログと1、2年後のブログを見比べてもらえればよくわかるのではないかと思います。

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