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門外漢の原稿作成技法第62回 わかりやすさ

門外漢の原稿作成技法第62回 わかりやすさ

おはようございます。
 午前中は調べ物と企画書作成。ザ・本屋さんにポストカードを届ける。午後はプレスリリースの作成と原稿の手直し。夜10時までパソコンに向かうが、スピードが上がらない。タイムリミットが近づいてきた。

読者にどんなメリットがあるか

原稿の大幅手直しを行っているところです。
 僕の文章はもともと「自分の書きたいことを書く」という傾向が強い。マーケティングで言えば、プロダクトアウト型の文章なのです。今執筆している本では、それが全面的に現れている。M氏に指摘されて読み返しましたが、まさにその通りになっていました。おそらく半分くらい書き換えることになるでしょう。
 今回の電子書籍の本では、「読者に起こしてほしい行動」がハッキリしています。この点がふだんのスロウの記事とは異なるところ。考えたり、イメージを広げてもらうことが文章を書く目的ではなく、具体的に行動してもらうことを目指して本をつくろうとしている。最初に書いた文章では、具体的に何をどうすればよいのかがわかりにくい。確かに、この点が大きな弱点でした。
 考えてみると、30年くらい前に書いていた僕の文章は目的が明確でした。当時、僕の文章の多くはタイアップ広告。最終的には「読者に購入してもらう」ことを伝えようとしていました。「読者の購入行動」という目標に向かって、あの手この手で文章を書いていく。写真では、この商品を使うとどのようにカッコよくなるのか、暮らしが快適になるのかを伝えようとしました。
 売れる文章を書くためには、リアリティが欠かせません。僕はどのような商品であっても、実際にその商品のことを好きになり、ユーザーの立場に立って文章を書いていた。その考え方をこの20年、忘れていたということかもしれません。
 昔書いていたのはファッション誌でしたから、今の文体とはずいぶん異なります。しかし、構造はほぼ同じ。相手(読者)の立場に立つ。何をどのように書き換えればよいのかは明らかでした。ただ、しばらく書いていなかった書き方であるため、スピードを上げるのに時間がかかる。ようやく、コツをつかんだ頃には眠気が頂点に達していました。たぶん、今日はハイスピードで書き進めていくことができるでしょう。
 文章を読んだ人にどのように行動してほしいのか。これは社内報でもメールの文章でも、常に意識すべきことのはずです。僕の若干の反省としては、これまで伝えたいことを伝えっぱなしにしてきたのではないかということ。エビデンスを加えながら論理的に伝えれば伝わるもの、と思い込んでいたところがあったかもしれません。
 「同じ情報を共有すれば同じ結論にたどり着く」という原則がありますから、論理的な伝え方で十分という場合も多い。ただ、重大な欠落があったような気がします。行動することで、自分にとってどのようなよいことがあるのか。ここが伝わらないと、行動には至らないことが多い。明確な目的+その人にとってのメリット。さらに、具体的でわかりやすい行動方法の提示。
 僕にも思い当たることがありました。とても魅力的なWEBサイトを見て、実際にその商品がほしいと思ったのですが、どのように購入したらよいのかわからない。10分くらいわからない状態が続くと、「買いたい」という気持ちは消え失せてしまいました。
 同じようなことを僕自身、行っていないだろうか? あるいは我が社の商品の中に、注文しにくい、購入に至るまで時間がかかる……。そんなものはないだろうか? 気になってきました。
 今日はわかりやすさに徹して文章を書き直す日にしようと思います。

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