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偶然とその前後71 技術習得と分業

偶然とその前後71 技術習得と分業

おはようございます。
 午前8時半朝礼。8時50分出社。9時、中小企業家同友会とかち支部事務局長S氏とともに、会員・未会員企業訪問。6社訪問。午後1時半、自宅でミーティング。夕方からは慣れない作業に取り組む。これは僕の超苦手分野と言えるもので、1時間もしないうちに肩凝り、頭痛の症状が出てきた。

技術習得と分業

慣れない作業もいつかは慣れる。そう信じて、実際に「得意かも?」と思えるレベルまで上達したものも確かにある。だが、どうやっても無理そうだと思える業務も、人間には必ずいくつかあるものだ。何でもできると錯覚するのは危険なことだと思う。
 東京時代、一枚の請求書を書くのに「請求書一冊」を消費するというフリーランスの人がいた。一冊50枚だとすると、49回も書き損じるのか? 外注するかバイトを採用すべきだと思った。だが、当時の僕も似たようなものだった。手書きだと、必ずといってよいほど書き損じる。
 今もさほど変わってはいない。変わったのは使う道具のほうだ。手書きではなく、さまざまな書類をパソコンで作成する。だから、いくらでも修正できる。紙の無駄は少なくなった。たまに、手書きで礼状を書こうとすると、やはり、1~2枚は書き損じる。僕のような人間にとって、パソコン(それ以前はワープロ)は大変ありがたい存在だ。
 ここ1、2週間、僕はかつて行ったことのない業務に取り組んだ。本当は過去に何度かチャレンジしたことがあるのだが、ちゃんとやり遂げたのは今回が初めて。今朝、午前2時半に起きて最終段階の作業を行い、5時半頃に完成した。本当にちゃんとできたのかどうか、まだ何とも言えない。確認すれば、このまま無事販売となる。手直し可能な日数は、たぶんあと2日。ギリギリになるよりも、すんなり今日で決めてしまいたい。
 慣れない作業に四苦八苦しながら、必要な技術を習得して何とかたどり着く。これはパソコンを始めたばかりの頃によく経験したことだ。購入したはいいが、習得は絶対に無理だ、と思ってしまったMS-DOS。そして、今度こそと思いながら、挫折してしまったMacintosh IIci。これほど見事なまでに成果ゼロに終わった設備投資は他にない。だが、この大きな無駄があったからこそ、1992年のWindows 3.1の登場と同時にちゃんと使えるようになったのかもしれない。MacもPower Macintoshのあたりから使いこなすようになった。
 30代前半は、何かを習得するにはちょうどよい年代と言える。頭は柔らかく、体力もある。しかも、社会人としての経験もある程度蓄積している。ここで身につけたものは、きっと一生役に立つ。ただ、この期間、多くの人は結婚、出産、育児等を経験する。人生の中でもハードな時期ではないかと思う。仕事にどこまで力を注ぐことができるのか。ここにはかなり個人差がありそうだ。
 デジタルネイティブの世代なら、技術面では僕のような苦労は経験していないに違いない。10代のうちに僕のレベルを超しているはずだ。それだけに、アナログな世代の人間は「フィルムや印画紙の深みが……」といった話に持っていく傾向がある。だが、そのようなところで勝負を挑んでも意味はない。自分の持っていない技術を補ってもらい、自分の表現したい世界を形にするだけの話だ。手書きや暗室作業の時代に戻ることはない。
 技術が高度化、デジタル化すると、表現したいことを形にするために、覚えるべきことがたくさん出てくる。ちゃんと覚えれば自己完結型で仕事ができる時代になったのだが、やはり「何でもできる」とは思わないほうがよいだろう。昔の分業体制とは異なり、全体をしっかりイメージしながら、足りない技術を誰かから提供してもらう。そんな仕事のやり方になってきているのではないか? その分、目的やイメージの共有がひとつの課題と言えそうだ。

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