皆さん、おはようございます。
昨日は中小企業家同友会とかち支部新年交礼会。(株)湯佐和・湯澤剛社長の新春講演は圧巻でした。感銘を受けつつ、大いに学ぶところがありました。感動する+学ぶ。「感動」だけで終わってしまうと、自分の人生、自社の経営には生かされないもの。感動している自分を感じつつ、冷静に学ぶ、分析する、自社への応用を考える。そんなデュアル思考が求められますね。
デュアル思考は自社にこもりっきりでは身につきにくいのではないかと思います。デュアル化するには出歩かないと。本当は「出歩かナイト」と言い換えたいところ。ですが、できるだけお酒を控えている僕は、懇親会の場でもひとりノンアルコールビールを飲んでいました。
さて、それはさておき、文章のカジュアル化という話、ご理解いただけたでしょうか?
今回はその実践編、カジュアル化に必要なデュアル化について話を進めていきたいと思います。「デュアル化であるか?」ということですね。
人は誰でもデュアル思考している
僕はそう思っています。僕の血液型(AB型)とはたぶん関係ないでしょう。他の血液型の人も、自分の頭の中で同時に複数のことを考えているのではないかと思います。
今も僕の頭の中では、「じゃじゃ馬億万長者」のテーマソングが鳴り響いていたり、今日中に仕上げるべきセミナー資料について考えたり、朝食に何を食べよう・・・といった雑念が湧き出したりしています。単に「集中力がない」だけなのかもしれません。ですが、複数のことを考え、複数の感情が湧き起こる。これが人間の自然な姿といえましょう。
写真家的文章作成技法の基本は、自分に素直に書き進めていくというところにあります。自分の目の前、あるいは自分の頭の中に広がる風景をそのまま言葉に表していく。
そうすると、自然に文章がカジュアル化していくのです。
正しく、正確に、誤解されない言葉で緻密に文章を構築していく・・・。そうしたフォーマルな書き方をすると、自分本来の文章から離れていくに違いありません。不完全さを持つ自分が自分らしい文章を書こうとするのですから、不完全な文章であるのが自然なのです。安心して不完全な自分を表現していただきたいと思います。
具体的な技法に話を移しましょう。
1.話し言葉に近づける
「・・・ですね」「・・・ですよ」「・・・なんです」「・・・しちゃいました」「・・・と思いませんか?」「・・・でしょう?」
他にもいろいろあるわけですが、フォーマルな文章では使われにくい語尾がカジュアル化には不可欠です。多用すれば、ゴビ砂漠だった文章も緑の大地に変わります(ちょっと大袈裟ですね)。
2.「です・ます」「だ・である」を混在させる
「ですます苦」の呪縛から自由になることです。ただし、戦略的に混在させること。うまく活用すれば、ていねいさ(です・ます)と力強さ(だ・である)を同時に表現でき、しかも文章がカジュアル化していることに気づくでしょう。
3.意外な相似形を活用する
僕がよく使う手です。その日(または前日)あった出来事と文章の主題を結びつけ、共通項を探していく。ユニークな相似形が見つかれば、書いていて楽しいと感じるものです。楽しく書けば、読み手も楽しい・・・はず。僕の場合はやや強引な話の進め方になる傾向があります。でも、それもまたよしとしましょう。Going my way. 「我が道を行く」ですね。
4.リーダーを使う
「・・・」のことをリーダー(leader)と言います。時間の経過、無音の状態、余韻、省略といった目的で使われることが多い。僕の場合は「語尾を曖昧にしたいとき」に使うことがあります。断定的に書いてよいのか? 読み手が不快に感じないか? さまざまなことを考え、迷ったあげく、「・・・」と書いてしまうのです。
ご存知の通り、リーダーには「指導者」「統率者」という意味もあります。「・・・」をあえて書き加える。リーダーの迷い、悩み、困っている状態をあえてオープンにする・・・。そんな人間的な表現だと僕は理解しています。
5.韻とダジャレ
気づくと韻を踏んで書くことがあります。第3回のタイトル「スリム化むりか?」もそうですね。ラップは韻の宝庫。とても参考になります。母音を合わせながらメッセージを伝えるのが韻であるのに対し、ダジャレでは母音も子音も合わせることになります。両方合わせる代わりに、メッセージ性は薄まる。「果樹あるか?」という言葉にメッセージ性はありません。話を進めながら、強引にメッセージを持たせたわけです。
韻にせよ、ダジャレにせよ、文章のカジュアル化という点でこれほど威力のあるものはありません。ダジャレをひとつ盛り込んだ時点で、ネクタイを外して頭に巻いたようなものです(今では見かけない光景)。
韻を踏んでもいいんです。ダジャレはレジャーだ。そう信じて、迷うことなく、文章のカジュアル化に取り組んでいただきたいと思います。
うーん・・・。他にもいくつか手法があるような気がするのですが、頭に思い浮かびません。また何かの折に触れることにします。
いかがでしょう? 文章のカジュアル化、そしてカジュアル化に必要なデュアル化について、何となくわかっていただけたでしょうか?
真面目にメッセージを伝えたい。そのこと自体正しい考えですし、そのように行動することは非常に大切です。しかし、自分の書く文章がイマイチ伝わっていないと感じるなら、アプローチ法を変えていかねばなりません。
真面目なことを考えている自分の中には、バカなことを考えている自分も存在している。この自然な、ありのままの自分を文章上に表現できるかどうか。ここが写真家的文章作成技法最大のポイントといえます。
ほとんど、僕の文章技術は伝え終わってしまいました。「もう?」と言われそうですね・・・。もう1、2回続けるかもしれませんが、伝え終わったら、次はコンテンツ編に移行します。
ではまた明日。