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偶然とその前後73 伝わりにくい写真

偶然とその前後73 伝わりにくい写真

こんばんは。
 こんな時間になってしまった。ブログの更新がここまで遅くなるのは、数年ぶりのことだ。まずは昨日の日報から。
 朝、ひと仕事。このパターン、かなり飽きてはいるのだが、朝のうちに片付けないと大変なことになる。10時からウェビナー受講。何度も電話がかかってくる。3月だからか? 急いで対応せねばならない案件もあった。6時終了。6時半、お通夜。ご焼香してからとかち館へ。中小企業家同友会とかち支部3月例会。報告者はTOMASEIホールディングス(株)代表取締役の渡辺秀敏氏。「SDGsをどう経営に生かすか ~S(社員と)D(どう)G(ゴール)s(へ)~」というテーマ。SDGsについて非常に明快に、わかりやすく語られた。わかりやすさはそのまま推進力となる。見習わねばならない。9時終了。9時半帰宅。

伝わりにくい写真

とてつもなく眠い夜。だが、2006年以来欠かさず毎日続けてきたブログをここで途切れさせてはいけない。
 連日エクセルを使った作業を行うと、僕の場合、精神のバランスが少しおかしくなってくる。たまにはフォトショップを使った仕事がしたくなる。あるいは、最近使い始めたルミナーネオでもいい。数字ではなく、画像を扱ってみたい。
 そんなわけで、写真の話で心のバランスを保つことにしよう。
 最近受けたセミナーの中に「1点フォーカス」という話があった。限りなく主題が明快な写真。これが広告のビジュアルとして適しているとのこと。まったく異論はない。だが、純粋に写真として見るならば、こうした写真には単調さがつきまとい、魅力を感じない。
 SNSに投稿されている写真、とりわけInstagramでは1点フォーカス的な写真が山のようにある。もう死語と言ってよいのかもしれないが、40年くらい前には「日の丸写真」と呼ばれていた。写真の真ん中に被写体を置く構図のこと。必ずしも1点フォーカス=日の丸というわけではない。それでも、被写体を真ん中に配置するのが簡単であるためか、日の丸の構図が目につくことが多い。
 そして、僕も知らず知らずのうちに日の丸になっていることに気づくことがある。これはオートフォーカスの弊害だ。何気なく、ファインダーの中央でピントを合わせて、そのままシャッターを押してしまう。もちろん、90%くらいのカットはちゃんとフレーミングする。しかし、ぼんやりした状態で撮影したときには中央に被写体を置くことがある。必ずしも日の丸写真が悪いというわけではないから、あえて真ん中に置いてフレーミングすることもある。問題なのは、中央に配置する写真の比率が高いと感じたとき。このときは、心のバランスがちょっと崩れているときではないかと思う。あれこれ考えたくないときには、被写体を真ん中に置く。僕の場合、現実逃避の傾向が現れると日の丸的構図となるようだ。
 僕の写真歴で見ると、1981~82年頃、そのような撮り方をすることが多かったと記憶している。6×6の二眼レフで日の丸写真。まさに、今日のInstagramに近い撮り方。バランスを取り戻して、ちゃんとフレーミングするようになったのは1982年の後半あたり。スクエアの写真は油断すると、フレーミングが単調になる。
 人間すべてというわけではないが、不安、迷い、混乱してくると、単純な答に飛びつく傾向が出てくるのではないかと思う。情報過多の時代、シンプルさは力だ。言葉はわかりやすいほうがよい。一方、写真の魅力はほんのわずかわかりにくいところにある。伝わる写真もよいが、伝わりにくい写真の中に案外おもしろさがあるのだ。少しだけ伝わりにくい写真を再び撮ってみたくなってきた。

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