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門外漢の原稿作成技法第63回 電子書籍の文体

門外漢の原稿作成技法第63回 電子書籍の文体

おはようございます。
 朝のうちに3本の仕事を進める必要があった。1本目は2時間、2本目には1時間を費やした。朝食後、3本目にとりかかる。2時間弱。まとまったとは言えないが、一通り形にする。9時50分出社。10時来客。開校100周年事業の打ち合わせ。午前中に仕事を詰め込みすぎたためか、午後はペースダウン。細々とした用事を片付ける。4時半、中小企業家同友会とかち支部オンラインビジネス研究会電子書籍グループのミーティング。イベント第2弾について。5時過ぎ終了。次の瞬間、まだブログを書いていないことに気がついた。やはり、ブログは朝の決まった時間に書くべきものだと思った。

電子書籍の文体

文章作成というテーマで、これまでずいぶん書いてきました。4年前には「写真家的文章作成技法」(クナウこぞう文庫)を出版しています。もうそろそろ書くネタは尽きているわけですが、もう1冊、文章に関する本を書いてみたくなってきました。
 僕は2000年以前はおもにタイアップ広告の文章、2006年からはスロウの記事を書いています。2017年からは単行本の文章を書くようになりました。それぞれ文体が異なります。媒体によっても、文章を書く目的によっても異なってくる。つまり、書き手は何通りもの書き方を使い分ける必要があるわけです。そこに得手不得手があると、狭いジャンルの媒体にしか書けなくなってしまいます。
 先月、「Kindle Comic Creatorと一太郎で始める 電子書籍の作り方、販売の仕方」の原稿を書くために、電子書籍に関する本(電子書籍)を何冊か読んでみました。
 紙の本と同じような体裁で書かれている本もあるのですが、電子書籍の中には「電子書籍特有の文体」のようなものがあることに気づきました。それれがどういうものなのか、まだ僕は明言することができません。もっといろいろ調べてみる必要がありそうです。
 ひとつ言えることは、電子書籍のほうが「わかりやすい文体」であることが多いということ。文章の洗練度では紙の本、わかりやすさでは電子書籍。これにはやや僕の偏見も混じっていますが、電子書籍をたくさん読んでいる人なら賛同してもらえるのではないでしょうか。味気ないがわかりやすい。電子書籍では、そういう文体のほうが向いているのかもしれません。
 書き手の文章力という理由もありそうですね。電子書籍は出版までのハードルが低い。出版社に企画を通して本を出すことも、多額の費用を払って自費出版することも困難な人にとって、電子書籍は魅力的な出版形態と言えます。原稿があれば、すぐに出版できる。その結果、必然的というべきか、プロの編集者から見ると、完成度の低い本がずいぶん混じっています。
 けれども、完成度の低さを差し引いても、電子書籍には一定の価値があると僕は考えています。文章の洗練度では紙の本より劣っていることが多いのですが、電子書籍の著者には伝えたい強いメッセージと情報がある。ただ本を書き慣れていないだけであって、その人の持つ情報には十分価値があるというケースが案外多いのです。
 そのことを電子書籍の著者も意識しているのでしょう。「洗練」よりも「わかりやすさ」を最優先に書いている。その結果、どうなるか? 必要な情報がストレートに頭に入ってくるわけです。さくっと、1時間程度で読むことができて、情報が効率的にインプットされる。出版物たるもの、6~10万字くらいなければいけない……といった固定観念は電子書籍にはない。ものすごく単純で文章量の少ない本もあります。
 電子書籍時代の文章作成技法。このようなニーズがありそうな気がします。また、電子書籍に限らず、メールやSNSでも「短くてわかりやすい文章」が求められています。僕自身は、つい長く書いてしまうタイプ。自分で本を著しながら、短く書くコツをつかみたいと思っているところです。

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