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電子書籍時代のシンプル文章術12 エピソード

電子書籍時代のシンプル文章術12 エピソード

おはようございます。
 午前10時、帯広市内でスロウの取材。ある工房を訪ねる。いきなり、切り抜き写真の撮影から始まる。あとは自由に撮りまわる。興味深いのはある素材の表面。ここに僕はひとつの風景を見いだしていた。取材とは関係なく熱心に撮影した。抽象画のようでもあり、記号のようでもあった。12時帰宅。昼食。着替え。1時15分、中小企業家同友会とかち支部事務局長のS氏とともに会員・未会員企業訪問。2社、たっぷり話を伺うことができた。4時半、1年前にお世話になった方が来社。4月から始める事業についての話。5時15分帰宅。全国ぷらざ協議会の情報交換会。有益な情報を得た。

エピソード

先日、ある実用書を読んでいたら、ストーリーがやけに長い。実用書なのに……ですよ。「早く本題に入ってくれ」という気持ちになりましたね。ストーリーは大切。ですが、ストーリーを求められていない類いの本もある。ストーリーを盛り込むのであれば、読者のニーズを把握して分量を決めるのがよいでしょう。
 この頁は当初「ストーリーとエピソード」という見出しにしようと考えていました。けれども、ストーリーについて書かれた本はたくさんあるので、本書では割愛しようと思います。
 もちろん、事実のみ羅列している味も素っ気もない文章を書くのは避けたいものです。ストーリー性はさほど必要ではないが、ちょっとした味わいがほしい。ローストビーフには山ワサビ醤油。玄米を炊くとき、塩と日本酒を入れるようなものです。フルコース(ストーリー)である必要はない。単品の料理(文章)に味わいがあれば、読者は興味を失うことなく読むことができるのです。
 ちょっとした味付けとして必要なもの。それがエピソードということになります。エピソードとは、「本筋と直接的には関係なく、物語中に挟み込まれる小話」、あるいは「ある人や出来事にまつわる、あまり知られていない興味ある話」のこと。
 話の本筋からちょっと外れる、というところがポイント。講演やセミナーでも、本筋の話100%だったら、きっと肩が凝ってくることでしょう。途中で本筋と関係のない、くだけた話で場をなごませる。そんな講演・セミナーが多いのではないでしょうか。エピソードを上手に活用すると、参加者は最後まで飽きずに聴いてくれるはず。本の執筆においても同じことが当てはまります。
 エピソードに必要なのは、「直接的関係はなくても、まったく無関係ではない」という小話。完全に無関係だと読者には疑問しか残りません。かすかではあっても本筋とつながっていることを理解させながら、エピソードを展開する。その際、若干ムリヤリ感のあるエピソードほうがおもしろいと僕は考えています。ムリヤリ感満載のエピソードという点では、拙著「写真家的文章作成技法」をご一読ください。少なくとも20個の強引なエピソードが載っています。
 エピソードはあくまでも小話。数100字程度に留めたいところです。「本当に伝えたいこと」と「エピソード」。両者の比率はどのくらいが妥当なのかは、著者自ら決めることになります。エピソードを書きながら本筋と融合していくこともあるでしょう。ただ、エピソードが主になると本の目的がぐらつくことになります。ローストビーフの主役は山ワサビでも醤油でもなく、あくまでもローストビーフ。調味料が濃すぎると、料理本来の味が損なわれることになるでしょう。

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