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偶然とその前後75 部屋・仕事場の内装と掲示物

偶然とその前後75 部屋・仕事場の内装と掲示物

おはようございます。
 午前中は社内報原稿作成。2時間半で5100字。ほどよいペースと言える。昼は会社の庭の落ち葉を集める。集めても集めてもなくならない。落ち葉用の掃除機があれば……。そう思って今朝調べたら、あった。なあんだ。次はこれを使おう。買い物をしてから帰宅。遅めの昼食。夕方からパソコンに向かう。社内報を仕上げて担当者に送る。新入社員研修の準備。8時半頃終了。

部屋・仕事場の内装と掲示物

海外のドラマや映画を見ると、ストーリーとはまったく関係ないところに興味を覚えることがある。それは部屋の内装だったり、掲示物であったりする。先日見た部屋には、「EVERYTHING IS UNDER CONTROL」と書かれたポスターがあった。CONTROLがキーボードの「ctrlキー」になっている。「心配ご無用」かぁ。このポスター、ちょっとだけ「ほしい」と思った。ずいぶん前のことだが、Xファイルを見ていたときには、「I WANT TO BELIEVE」のポスターが気になっていた。
 僕はこうした掲示物に視線が向かうタイプのようだ。他に、家電製品やPC関連のグッズ類を注視することもある。一方、M氏はというと、部屋の内装の壁の色や素材が気になっているようだ。このような目的でドラマや映画を見ている人は、僕ら以外にも案外多いような気がする。ある意味、非常に参考になる。こうした視覚体験の積み重ねがクリエイティブな発想に多少なりとも役立っている。単なる娯楽ではあるが、そう信じたい。
 視覚体験は現実世界の中でこそ積み重ねるべきである。僕がいつも興味深く観察しているのは、取材で訪れた場所。こうした場所には注目すべきものが多い。一般の人が気軽に入ることのできない場所だったりする。取材者の特権ではないかと思うことがある。
 僕は写真を撮る立場なので、貴重な機会に貴重なものを撮影することがある。取材の仕事として気になるものは当然撮影するが、取材テーマとは無関係に気になるようなものもある。いや、完全に無関係ということはないようだ。実際、僕が個人的興味で撮った写真を、編集者が誌面に採用することがある。別な意味で興味深い。
 あまりにもレアすぎて、「自分が死ぬまで公開してはいけない」と念押しされた被写体もあった。もう14年前のことだ。この写真が誌面に載ることはきっとないだろうな。ずっとハードディスクの中……というのも惜しい。プリントして部屋に飾っておこうか。
 被写体は常に何らかのメッセージを撮影者に送っている。明確なメッセージがない場合でも、何かしらインスピレーションを与えようとしている。そのことに気づくことが撮影者の役割ということになる。
 ドラマや映画の場合は意図して作り込まれているから、とてもわかりやすい。一方、取材の際には注意深く観察することが求められる。さほど注意しなくてもよくわかるのは工場や作業場といった場所。ものづくりの現場からはメッセージが伝わりやすい。何を目指しているのか、何を大事だと思っているのかが、視覚的に伝わってくる。
 また、工場にはさまざまな掲示物があって実に興味深い。5S関連のものもあれば、職人心得といったものもある。目標やスローガンもその会社の社風、企業文化を表している。
 僕らは取材を通じて初めて目にするものだが、そこで働いている人たちは毎日目にすることになる。どのようなものに囲まれ、どんな掲示物を毎日目にしているのか。視覚体験の積み重ねによって、少しずつ影響を受けるに違いない。人間、何に囲まれて生活するのか、仕事をするのか。それにより、健全にも不健全にもなっていく。そう考えると、海外ドラマではないが、ある程度は作り込む必要があるのではないかと思う。

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