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取材記録29 表現活動と経済活動

取材記録29 表現活動と経済活動

おはようございます。
 朝起きると予想通りの筋肉痛。だが、予定通り午前8時過ぎ出発。ショップに立ち寄る。店舗隣の倉庫では不要な荷物の運び出し作業が行われていた。ここはおもしろい建物。将来、イベント会場になるかもしれない。
 写真を撮りながら旭川へ。12時半頃、最初の目的地に到着。商品購入など。取材はここから30分ほど離れた場所。「ゆったりある記」の取材。1時半から歩き始める。思ったよりも急坂の場所がある、カタクリ、エゾエンゴサクはピークを過ぎていた。オオバナノエンレイソウはこれからといった段階。ニリンソウ、エゾノリュウキンカ、ミズバショウ……。一通り撮れたような気がする。3時15分、取材終了。富良野経由で帰宅。

セミリタイア計画

取材の仕事は、いったい何歳までできるのだろう……。最初にそう考えたのは、30歳前後の頃でした。1990年頃の僕は、とてつもなくハードに働いていた。そのためか、「きっと40代半ばまでだろうな」と勝手に思い込んでしまいました。45歳でセミリタイアしよう。そんな、よからぬ考え(?)が頭に浮かだのもこの頃です。計画通りに実現していたら、まったく違った人生になっていたはず。
 それはともかく、スロウを創刊したのは43歳のとき。数年ブランクがあったものの、再び取材の仕事をすることとなりました。スロウの取材は、ハードというわけではありません。ただし、長距離ドライブがある。このため、創刊当時は朝4時か5時出発というのが定番になっていました。一番早かったのは朝1時半出発、早朝から撮影という取材でした。取材中はさほどハードではないが、取材の前後がハード。そんな取材スタイルが2010年頃まで続いたと思います。
 その後、早朝出発は減っていき、朝の素晴らしい風景を見ながらドライブする(ときどき風景撮影する)ことも少なくなっていきました。これは僕の体力を思って編集者が配慮してくれたためなのでしょうか。薄暗い時間帯に出発していた頃が懐かしくもありますが、今、そのように早朝出発すると体が持たないかもしれません。
 かくして、30年前に思い描いたセミリタイア計画は夢のまた夢。気づくと、今も取材活動を行っている。僕の当初のプランでは、今頃、自分の作品制作に専念する日々を送っているはずでしたが、ちょっと計画が狂いましたね。
 ただ、このほうが僕にとってはよかったのではないかと思うことがあります。雑誌スロウは経済活動でありながら、作品に近いところがある。編集者もデザイナーも、たぶんそんな気持ちを持ちながら活動しているはず。経済活動と表現活動を同時に行うことができる。どのような仕事であっても可能ではありますが、それを実感しやすいのがスロウの仕事のよさといえるでしょう。その分、大変だと思うことはあるものの、このようにして働くことができるのは幸せなことに違いありません。
 この先、どこかで後進に道を譲ることになるでしょう。表現活動と経済活動を重ね合わせるような働き方ができる人がどれほど現れるか。ここにかかっている。僕の考えでは、両者は優先順位をつけるものではなく、同時並行であるべき。この考えを発展させていくと、仕事時間と個人の時間との境目は曖昧になっていく。もうすでに、かつて思い描いていたセミリタイア後の人生を自分は送っている。そう言えなくもありません。ただ、心からそう実感できるようになるには、あと数年要することになるでしょう。

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