
おはようございます。
昨日は伊達、ニセコでの取材。夏のような日差しと青空。写真を撮るには絶好のコンディション。日陰に入るとひんやりした風。快適な一日でした。取材も興味深いもので、こんな場所があったのか……と思うような場所。写真で的確に表現できていればよいのですが。
ニセコ方面へ行くと、水を汲みたくなってしまいます。けれども、そんなときに限って容器は持ち合わせていないもの。ニセコや羊蹄山の周辺には、湧き水を汲むことのできる場所がいくつもあります。そして、微妙に味が異なっているような気がする。微差がわかると楽しいものです。
水のグローバル化と人口移動
最近発見したこと。今のスロウ編集部には頭文字「I」が3名います。そのいずれもが道外出身者。道外出身者率が過去最大になっています。あっ、どうでもよい話ですが、数年前には編集長以外全員血液型AB型という時期もありましたね。ちなみに、編集長も道外出身者ですから、編集部の過半数となります。さらにスロウな旅編集部にも「I」の道外出身者がいる。クナウマガジンは、4人の「I」に包まれている……といってよいのでしょうか?
我が社に入社する道外出身者には2パターンあります。道外から地元の大学(たとえば帯広畜産大学)に入社し、新卒で入社するというパターン。もう1パターンは、いわゆる移住らしい移住。今年一番ユニークだったのは、九州の大学から新卒で入社したI氏かな。4人もI氏がいると、頭文字で書くのは紛らわしいですね。これからは違った書き方にしようと思います。
それはともかく、道外から我が社に入社した人たちは、「我が社にすんなりなじんでくれるだろうか?」といつも考えてしまいます。
我が社になじむかどうか? それは地元出身者でも同じこと。ですが、道外出身者の場合は、「我が社になじむか?」だけではなく、「十勝になじむか?」というもうひとつのハードルをクリアしなければなりません。この点でいえば、畜大から入社した人の場合は「十勝」をクリアしていると考えてよさそう。十勝に対する愛着は、地元出身者よりもむしろ強いくらいです。
そんなわけで「水が合うかどうか?」ということをぼんやり考えていたのです。
水のグローバル化と人口移動との間に、何か関係があるのではないか? これが僕の仮説。いつの間にか、ペットボトルで水が市販されるようになりました。全国どこへ行っても「南アルプスの天然水」とか「富士山の湧き水」といったものを購入できるのですから、水が合う、合わないという問題は消えつつあるのではないか? それが移住者を増やす遠因になっているのではなかろうか?
あまり「移住」という言葉は使われないと思いますが、北海道から東京に移り住むのも「移住」に相違ありません。移住というと、大都市から地方へというイメージが強い。けれども、当然ながらその逆もあります。そして、地方から東京へ移り住む人があまりにも多いため、出生率が一番低いのに東京の人口が増えることになる。北海道は出生率が低く、その上、転出数も多い。二重の要因が重なって人口が減少しています。
ペットボトル入りの水はどれもそれなりにおいしい。しかし、ニセコや羊蹄山の湧き水は、さらにそれよりもおいしいと感じます。それがニセコエリアの人気に少なからず影響を及ぼしているのではないか? まったく根拠はありませんが、僕はそんなふうに考えています。
同じような理由で、東川も移住を検討している人たちに人気の高い町といえます。ここには「大雪旭岳源水」があります。ここも、わざわざ飲みに行くだけの価値のある場所。ペットボトル入りを買うこともできますが、湧き出している水を直接いただくほうが味わい深い。
帯広市は水道水のおいしさがウリ。「おびひろ極上水」としてペットボトルに詰めて販売しているほど。東京に住んでいた頃は浄水器を設置しても水道水に不安を感じていましたが、今では気軽に蛇口をひねって水が飲める。当社の社風になじむかどうかという問題は残りますが、帯広の水になじむのは比較的早いのではないかと思います。
問題は、多くの人がペットボトル入りの水を当たり前のように飲むようになってしまったということ。その結果、水質の悪い場所でもさほど不快な思いをせずに暮らすことができてしまいます。歯磨きで口をゆすぐとき、違和感を感じるくらいでしょうか。水の面だけをとらえれば、大都市への人口移動の流れは食い止められそうにありません。
ハイレベルな意味で「水が合う」という地域、または会社づくりを目指すべきなのでしょう。究極的に水が合う。我が社の社風になじみすぎてしまって、転職することなど考えられない……。そんな社風をつくること。
「十勝にすっかりなじんでしまった」という人を増やすことも重要ですね。それには人間関係が最大の鍵となりますが、さまざまな要素が複雑に絡んでいるはずです。物質としての「水」もそうですが、いろいろな意味で水が合うような地域づくりを行っていく必要がある。
どんな料理であっても、水が悪ければおいしい食べ物にはならないもの。僕は帯広にUターンして、最初に「冷や奴がおいしい」と感じました。水と素材が両方おいしければ、調理法を間違えない限りおいしい料理となる。人間も、素材がよくて水(環境)がちゃんとしていれば、あとは人材育成をどうすればよいか考えるだけ。
といっても、人の場合はそう簡単にはいきません。企業としてできることは環境を整え、活躍の場を用意し、各個人の成長意欲を刺激すること。素材の味を最大限引き出すのが料理。だとすれば、個人の持つ能力を最大限引き出すのが「仕事」といえるでしょう。
会社としても環境整備を進めていきますが、自助努力も不可欠です。「天は自ら助くる者を助く」(サミュエル・スマイルズ)ですね。「自ら」と「水から」の両方から人生の質を高めていかねばなりません。
