
おはようございます。
ひたすらパソコンに向かう。スピードはまあまあだが、図版が足りない。インデザイン、ときどき撮影。ゴールにはほど遠い。食事会のための買い物。夕方、「ふじもり」へ。帯広柏葉高校同窓会の拡大部長会議。
藤森商会といえばインデアン。1968年に最初の店が開店したらしい。僕の小学校の頃ということになります。高校生になると、ときどき食べに行っていました。
カレー遍歴
僕くらいの年代の人であれば、最初のカレー体験は「小麦粉のカレー」でしょう。黄色い色をしたカレー。みんなに聞いたわけではありませんが、どの家庭でも作られていたと思います。
当時、僕は作り方をよく見ていませんでした。ただ、小学生ながらも「本場のカレーはこれとは違っているはずだ」と思っていました。あまり素直じゃない子供だったようです。
今のような板チョコみたいな形をしたカレールーはありませんでした。記憶にあるのはS&Bのカレー。赤い缶のカレー粉は今も使っています。1960年代、たぶんこのカレー粉と小麦粉を使ってカレーが作られていたはず。ネットでレシピを調べると、近いものが載っていますね。
僕はさほど辛くはないカレーに物足りなさを感じていました。色も「なぜ黄色いのか」疑問に思っていた。ということは、カレーとはこのようなもの……という理想像を持っていたのでしょう。本物とはいえない。当時「フェイク」という言葉は使われていませんでしたが、フェイクカレーだと僕は考えていました。
加えて、タマネギを飴色になるまで炒めるという技は、我が家では使われていませんでした。よその家庭ではタマネギをしっかり炒めていたのでしょうか? よくわかりません。子供の頃食べていた小麦粉のカレーは、タマネギとニンジンにずいぶん存在感があった。その影響でしょうか。長い間、タマネギもニンジンも、僕の苦手な食材上位にランクされていました。苦手意識がなくなったのは、自分で料理をするようになってからのことです。
高校生になりインデアンカレーに出合うと、「これが本物のカレーだ」と思うようになりました。当時はまだ、本場のカレーに出合ってはいませんでしたが、本物と思えるカレー。おそらく、そのようにしてカレー=インデアンという構図ができあがった。これが1970年代の帯広市民に強力にインプットされ、今に至っているのだと思います。
大阪芸術大学へ進学した1980年、僕は南河内郡河南町の下宿に引っ越しました。大学のすぐ目の前にあった下宿。大家さんは喫茶店を開いていて、「喫茶びん」という店だったと思います。
そこでカレーを食べると……。「これが大阪のカレーか!」と衝撃を受けましたね。ご飯の上だったか、カレーの上だったかは忘れてしまいましたが、驚いたことに生卵が落としてあるのです。これをどうやって食べるのだろう? とりあえずスプーンですくって生卵だけ食べ、あとは普通のカレーとしていただくことにしました。少し残った白身の部分がちょっと不気味な感触に思えました。生卵乗せカレーを食べたのはこのときだけだったので、これが必ずしも大阪標準ではなかったということが後日判明しました(ただし大阪ではポピュラーな食べ方らしい)。
本場かどうかわかりませんが、京都でインドネシア料理店に入り、カレーを食べたときも衝撃的でした。カレーの中に異質な甘さがある。パイナップルが入っている! 生卵以上に強烈。これを完食した自分は偉いと思ってしまいました。好きな人もいるのでしょうが、このとき以来、カレーと酢豚のパイナップルには用心しています。
たぶん、僕のイメージする本場のカレーを食べたのは、インド料理店ということになるでしょう。それが大阪か東京かは忘れてしまいました。僕の想像以上に辛いものでしたが、インデアンカレーに続いて「本物」と思える味でした。本物の本場の味。どうやったらこういう味になるのだろう? 自宅で再現できないことを残念に思っていました。
20年ぶりに帯広へUターンすると、スープカレーが流行っていました。流行というよりも、定着していたというべきでしょうか。札幌発祥のこの料理、僕が味わったインド料理店の味に近い。そして驚くほど辛い。僕は割と辛い味が好きな人間ですが、スープカレーでは標準以上の辛さを指定することはできません。
スープカレーのお店を何軒かまわって感じたこと。それは料理が出てくるまで時間を要する店が多いな、ということ。僕は食べ物に関してはかなりせっかち。食べたいという欲求が最高潮に達しているときに食べたいという思いが強い。待ち時間が長いと、雑念が混じり込んでしまうのです。
そんなわけということではありませんが、スープカレーを自宅で作るようになりました。ありがたいことに、今はネットで作り方を調べることができるし、スープカレーの素も市販されている。市販のものも使いますが、我が家の場合はM氏が独自に改良を加え、かなりハイレベルなスープカレーが作れるようになっています。
しかし、その代償は大きい。準備にずいぶん手間暇がかかるのです。このため、スープカレーの製作は大人数の食事会のときに限定されます。ずんどうにこれでもかというくらい作る。人数を読み違えて、食事会参加者が少なかったときは、1週間ずっとスープカレーを食べ続けることになる。まあ、食べ続けても飽きない味ではありますが。
普通のカレーもスープカレーもよく作ります。十勝人はインデアンカレーを食べ続けてきた舌を持っていますから、カレーについてはうるさい人が多いのではないかと思います。小麦粉のカレーを起点に、インデアン、スープカレーと発展。今、僕の理想とするカレーはトマト味の効いた酸味の強いものですね。
今回はカレーの話だけで終わってしまいました。本当はカレーを題材に組織や人生といったことを語りたかったのですが……。ルーの中に溶け込んでしまったのかもしれません。
