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門外漢の原稿作成技法第68回 瀬戸際の執筆術

門外漢の原稿作成技法第68回 瀬戸際の執筆術

おはようございます。
 午前中はSLOW livingの商品開発について考え、仕様書らしきものを作成する。10時、斜里、小清水から運んできた商品を店に運び、広げていく。素晴らしい作品が揃っている。すぐに売れそうと思うものが多数ある。原稿作成は午後から。この時点でかなり出遅れているのだが、集中して取り組むしかない。会社でスロウの原稿を書くのは10年ぶりだろうか。例によってスピードは上がらない。蒸し蒸しするからかもしれない。そう思って、いったん帰宅し軽快な服装に着替える。ついでに冷タオルを持参。少し頭がしゃっきりしてきた。夕方近くになって、少しスピードアップ。7時過ぎ帰宅。この時点で80%ほどの仕上がり具合。

早朝出勤による快適な執筆環境

5ページの原稿は、つい先ほど完成しました。今日の予定は非常に立て込んでいる。朝のうちに完成させねば。そう思ったら、朝1時頃目が覚めた。あまりに早すぎますね。もうひと眠りしたら、今度は2時半。ちょっと早いような気もしますが、シャワーを浴び、準備をする。3時45分頃出社。これほどの早朝出勤はたぶん10数年ぶり。
 するとどうでしょう。社内の仕事環境は快適そのもの。本文を速やかに完成させ、インデザインに流し込む。続いて、キャプションとタイトル。最後に見出しを入れる。いったん出力し、直しを入れる。6時半には入稿できる態勢が整いました。プリンターのノズルが詰まってクリーニングに時間がかかったほかは、極めて順調に仕事を進めることができたのです。
 昨日作成した本文を読み返してみてわかったこと。それは昨日の僕はコンディションに難があったということでした。高温多湿になりやすいこの時期、これまでは自宅書斎でエアコンをかけて仕事をするのが常でした。社内ではそういうわけにはいきません。高温と感じているのはたぶん少数派。冷房をかけるというコンセンサスは得られそうにない。夏場の午後、僕にとって社内は原稿執筆に向いていません。早朝出勤。これが正解のようです。
 コンディションに難があると、どのような文章になるのか? これは入稿を終えた今となっては、胸部深いテーマと言えます。
 文と文のつながりが非常にぎこちないものとなる。これがひとつの特徴です。つながっていないわけではないけれども、読み進んでいくと、頭の中に「?」マークが浮かんでくる。こうなると、微調整ではなく、書き直しのレベルです。
 語尾も単調になったり、不適切な文の終わり方となる。語尾問題は文章力に自信のない人にとって、悩ましいテーマのひとつと言えるでしょう。調子のよくないときに文章を書くと、「自分は本当に日本人なのか?」という疑問が湧いてくるほど書けなくなる。どのように文を終えるのかがわからなくなる。ワンセンテンスが長くなり、書いている途中で何を書いていたのか忘れてしまう。困った現象が複数現れ、執筆意欲がどんどん減退する。執筆を生業としていない人であれば、「そういうこともある」で済むのですが、ライター、編集者の場合は深刻です。締め切りまで数時間、と追い込まれているときはさらに大変。気持ちを強く持たなければ、眠くなるなど逃避傾向が現れてくる。
 そんなときは、さらに自分を瀬戸際まで追い込むために、早朝勝負をかけるというのが僕のやり方です。これは危険な手法であると同時に、周囲の人からはあきれられる。信頼度を損なう。二重の意味でリスクがある。
 だから、次の号こそ余裕を持って記事づくりに取り組もう……。毎回そう思うのですが、同じパターンを繰り返す。追い詰められるのが好きなのだ。これまでは、そう納得するようにしてきました。果たして、成長することで、そんな自分を変えることは可能なのでしょうか? テレワーク生活を終え、毎日出社するようになって1週間。生活習慣を変えることは可能なのだから、執筆スタイルを変えることもきっと可能であるはず。スロウ73号はもっとスムースに入稿するようにします。関係者の皆さん、期待してください。

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