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取材記録39 活版印刷

取材記録39 活版印刷

午前8時出発。最初の目的地は北広島。「ゆったりある記」の取材。ナビ通りに行けばたどり着けるはず。と思ったら、入口がどこにもない。結局わからずじまい。第2候補の場所へ。こちらはわかりやすかった。途中、素晴らしい風景に出合う。今日はこのために来たのではないかと思うほど。1時間半ほど歩き、車の中で昼食。午後2時半からは札幌市内で「北海道 来たるべき未来を見つめて」の取材。活版印刷。何と表現すればよいのだろう? 自分の頭の中に残るかすかな記憶をたぐり寄せるような取材内容。話を伺い、写真を撮る。どのような記事になるのか、現時点では予測がつかない。できれば、今週末に着手したい。取材終了後、近くのカフェでK氏とミーティング。9時頃帰宅。

物としての確からしさ

久しぶりに活字を見ました。間近で見るのは50年ぶりくらいかな? 僕が小学生の頃。その後も、遠くからちらっと見ることはありました。最後に見たのは、東京の新橋だったと思います。活版で印刷しているところがまだあるんだな……とぼんやり眺めていた。そのときはノスタルジックな気持ちになることはなく、活版印刷にどれほど需要があるのだろうか考えていました。
 昨日は話を伺いながら、気づいた点がいくつかありました。その多くは記事で書くことになるので、ここでは割愛します。ただひとつ、活版印刷の魅力は「物としての確からしさ」にあるのではないかと思いました。デジタルによって生じた空白地帯を埋めるようなビジネス。これは印刷産業ばかりではないはず。大手では決して参入しないであろう、オアシスのような領域がもしかしたらあるのかもしれません。
 この技術は次世代に継承されるのだろうか。この点も気がかりなところです。謄写印刷も活版印刷も、印刷方式としては過去のもの。機械も消耗品もほとんど作られていない(この点は調べていないのでよくわかりません)。我が社は謄写印刷から始まり、1970年前後は活版が主力だったと思いますが、当時のものはほとんど残っていない。ハイデルベルグのプラテン(活版印刷機)があるだけ。20年くらい前はナンバリングに使われていました。若手デザイナーは活版印刷に興味を示しますが、自分で印刷しようとは思わないでしょう。この点、フィルムカメラで撮影しても、自分で現像、引き伸ばしをしようとは思わないのと同じ。やはり、求められる技術と労力が並ではありません。
 昨日も想像を超える技術と労力を目の当たりにしました。DTPとは対極の世界。だからこそ、確からしさを感じることになる。オフセット印刷もオンデマンド印刷も、確かに紙媒体として存在し、確からしさはという点では疑いないわけですが、活版印刷はまたひと味違いますね。謄写印刷(孔版印刷)にもきっと同じようなものを感じることでしょう。
 活版、謄写印刷。これらは伝統工芸や美術の一ジャンルとして存在し続けることになるのではないでしょうか。 

ソーゴー印刷株式会社

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