第11回 業界人の改行

第11回 業界人の改行

おはようございます。
 昨夜は失敗しました・・・。つい、飲んじゃった。あれほど「飲まない」と固い決心をしたはずなのに。北海道印刷工業組合十勝支部新年交礼会。気づくと、乾杯のときビールを手にしていたのです。あとは必然的にビール→日本酒という流れに身を任せることとなりました。そういう夜もありますね。
 さて、それぞれの業界には独特の文化があると思いませんか? 来週末は書店組合の新年会に参加しますが、印刷業界とは異なる文化があります。僕は出版業界の集まりに参加したことはありません。たぶん、またひと味異なる文化があるはず。
 そうした違いは、ほんの些細なところに現れるものではないか? 僕はどうでもよいようなことに着目することがあります。男女比率、平均年齢、喫煙率、声の大きさ、性格の明るさ、発言の前向き度・・・。まあ、いろいろありますね。比較検討すると、けっこうおもしろい。
 今日は「業界人の改行」という、またしても変なテーマを設定してしまいました。業界はともかく、適切な改行とはどのようなものかについて、考えていきましょう。

窒息するかもしれない・・・。切実な改行問題

男性の場合、ほぼ毎朝ひげそりをすると思います。僕はシェーバーを使いますが、剃られたひげの粉塵が舞うことがある。それをうっかり吸い込んだりすると非常に気持ち悪い・・・。ですから、僕はシェーバーの作動中は息を止めているんですね。そうすると、ひげを剃りながら窒息しそうになる。毎朝、僕は決死の思いでひげを剃っています。みんな、そんな苦労を味わっているのでしょうか?
 これと同じような経験は他にもあります。
 当社各部門の朝礼で実施される「経営計画書の唱和」。計画書の一節をみんなで読んで、司会者が感想を述べるというコーナーです。月刊しゅん編集部(フリーマガジンの編集部門)の場合、さらに月1回「部門計画の唱和」がこれに加わります。この唱和スピードが異様に速い。昭和じゃなく、平成生まれが多いからでしょうか。僕がたまに参加すると、まったくついていけません。それどころか、息継ぎする余裕もなく、最後は窒息寸前という状態になってしまいます。
 で、何を言いたいのかというと、文章の中にも「窒息しそうなものがある」ということ。読み手に息継ぎのチャンスを与えてください。心からそう思うことがあります。
 僕はまず読みませんが、学術書にはそうしたものが多そうですね。難しそうな本は「文字が詰まっている」という印象(偏見かな?)。逆に、小説やエッセイの一部には、「ほとんど一文ごとに改行している」ような文章も見受けられます。これは行数を稼ぐためか? さらには、さほど必然性は感じられないのに、ところどころ一行空けてあったりする。これはWebの影響でしょうか?
 さまざまなWebサイトを見ると、一行空けどころの騒ぎではありません。全行一行空け。つまり、行間が異様に広い。そんなサイトもありますね。
 Webサイトには謎が多い。そもそも、段落の先頭で一字下げしていない文章が圧倒的多数を占めています。これは技術的にそうなっているのでしょうか?
 当社のサイトを見ると・・・。うわっ。やっぱり下がっていない。どうやら正統派の書き方をしているのは僕だけのようです。他に、一字下げを基本としているのは、新聞社のサイト。ちょっと安心しました。出版社は各社まちまち。全体的にはどうも旗色が悪いですね。

改行問題に話を戻します。
 当社の雑誌「northern style スロウ」を開いてみると、全体的に改行が少ない感じがします。スロウはページをたっぷり使ってつくられている本。余白も多い。視覚的にゆったりしているためか、改行が少なくても「詰まっている」という印象にはならないのでしょう。
 文字主体の単行本の場合は、意識的に改行を増やすべきですね。見開き2ページが文字で埋め尽くされていたら、読み手は「うっ!」と思ってしまうのです。僕などは、本屋さんでページを開いただけで喉が詰まりそうになることがあります。
 適切な改行。これは属する業界によっても異なるでしょうが、やはり「読み手がどう感じるか」を第一に考えるべきですね。
 僕の場合、改行のタイミングで息を吸うことが多い。ですから、改行が多すぎると過呼吸になるし、少なすぎると窒息しそうになる。読み手の健康を意識すれば、自ずと適切な改行ペースが見つけられるのではないかと思います。
 基本的には「話の内容が変わる」というタイミングで改行します。けれども、読点同様、ルールはあるようでない、ないようである・・・。そんな気がします。最終的には、「読み手に対する心配り」と「自分の心の動き」の両面から、改行のタイミングを決めていくことになるでしょう。
 情感たっぷりに書く文章の中には、改行なしで数100字書き進められているものがあります。スロウに見られるパターン。ちなみに、僕の文章は情感より分析的なものが多いため、改行の仕方は理性的(?)です。話が変わるタイミング、または息継ぎのタイミングを基本としています。
 どうやら、改行に正解はないようです。
 ただ、改行後の一字下げ。これだけは、間違いなく行うようにしてくださいね。Webサイトでは「字下げなし」が市民権を得ているようですが、紙媒体を使う文章の場合は「日本語の基本」と考えるべき。
 写真家的文章作成技法では視覚表現を重視します。一段落のかたまりがどのくらいか? 字下げされていないと、一瞬で把握することができないのです。ぜひ、美しいページを意識して、改行するようにしましょう。
 一週間はあっという間ですね。よい週末をお過ごしください。

ソーゴー印刷株式会社

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高原淳写真的業務日誌