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取材記録41 「ありのまま」と「そのまま」

取材記録41 「ありのまま」と「そのまま」

またも2日まとめて記録することとなった。9月8日は朝6時、N氏とともに旭川へ。ほぼ時間ぴったり……のはずが、ナビでは違うところに案内されるらしい。5分遅れて到着。森の中で取材スタート。現地で合流したT氏の担当ページ。おもしろい記事になりそう。やけに気温が高い。取材終了後、かつ伴でダブルロースを食べたら生き返った。午後は別行動。僕はひとりで美瑛へ。数カット撮影。取材は難なく終了したが、帰り道はとてつもない眠気に襲われた。理由はハッキリしている。炎天下+昼食のダブルロースカツ。途中で仮眠。6時頃帰宅。
 昨日の9日も取材。最初は音更。またも炎天下。前日の教訓から、帽子をかぶりながら撮影する。だが、強烈な日差し。日陰に逃げ込んでも涼しさは感じなかった。編集者のS氏は懸命な取材活動を行っていた。フォトジェニックな被写体。いい写真が撮れたと思う。昼は士幌の平和園。ジンギスカンを食べたら生き返った。食後、士幌の道の駅。午後の取材は2時から。予定時間をオーバー。4時ピッタリ、同友会事務所へ。着替える時間がなく、ラフな格好で懇談することとなった。5時帰宅。すぐさまSLOW livingへ。十勝ファーマーズマーケットの準備。8時半頃帰宅。

事実と考え

気温はともかく、晴天の中で取材できるのはありがたいことです。カラッとしている。これぞ北海道の夏という感じ。もう9月ではありますが。
 それにしても、すごい仕事、ユニークな仕事をしている人がいるものです。実際にその場所を訪ねると、意味や価値がよくわかる。雑誌ですべてを伝えるのは不可能でしょう。
 ですが、その代わりに編集者やフォトグラファーの視点を加えて、意味や価値を伝えようと努力する。ここに雑誌のおもしろさがあります。ありのままを大切にしていますが、そのまま伝えているわけではありません。「ありのまま」と「そのまま」の違いを理解している編集者は、読み応えのある記事を書く。何も加えずに書くと事実だけの文章、誰が書いても同じような文章となるでしょう。雑誌スロウの場合は、編集者の視点や考え。それが記事に盛り込まれている必要があります。
 一方、個人の考えが邪魔になるようなケースもあるようです。それは歴史を正確に捉えようとするとき。古い文献を調べていくと、その中に誇張やフィクションが混じっていることがある。事実を不必要なまでに美化していることもあるでしょう。正確な事実のみ洗い出していくのは、きっと骨の折れる仕事に違いありません。僕の頭の中には、砂金掘りの映像が浮かんできました。事実なのかフィクションなのか。その違いがはっきりしない文献は研究者にとって悩みの種であるに違いありません。
 この点、スロウの記事の場合は、事実と書き手の考えが判別できるような文章になっていると思います。取材相手の言葉を脚色することはない(意味が通るように整えることはある)。書き手は取材相手と同化させることなく、自分の解釈、考えを述べる。共感とともに自分の考えを伝えることが大切と考えています。

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