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写真論28 引き伸ばしレンズ

写真論28 引き伸ばしレンズ

午前8時SLOW living。8時半出社。事務的な作業がたまっている。短い原稿を書く。原稿執筆準備をする。昼は外食。3時頃帰宅。体を休ませるべきだとわかった。休日としてくつろぐことにした。

暗室作業の記憶

今、手元に引き伸ばし用レンズが4本ある。カメラ用ではなく、印画紙にプリントするための引き伸ばし機に取り付けるレンズ。4本も持っていたっけ? これらのレンズは暗室のあった所沢の家から運ばれてきた。暗室には2台の引き伸ばし機、ラッキー90MDとベセラー45XMTがあった。レンズをどのように使い分けていたのかは、記憶が薄れていてよくわからない。
 135ミリのニッコールはベセラー用だが、80ミリと2本と50ミリがある。フィルムサイズとレンズの焦点距離がどのような関係だったのかも忘れてしまった。
 ベセラーの引き伸ばし機は、購入したとき高価だったに違いないが、十分活躍したとは言えない引き伸ばし機だった。4×5用の引き伸ばし機購入の際、ラッキーかベセラーの選択に迫られ、後者に決めた。しかし、ラッキーのほうが断然使いやすかった。ベセラーは電動で大まかにピントを合わせてから微調整する。僕には少しまどろっこしく感じられた。最大の問題はネガキャリアにあった。素通しのキャリアでは平面性が保てない。ガラスキャリアだと埃が入り、スポッティングが大変だった。これはラッキーでも同じだと思うのだが、ラッキーのほうが素通しキャリアの平面性がよいように感じられた。
 レンズに関していえば、僕には差はまったくわからなかった。撮影用レンズでも同じこと。高倍率ズームの中に、明らかに画質が悪いと思われるレンズがあるが、それ以外ではあまり違いがわからない。みんなレンズの良し悪しを論ずるものの、僕にはほとんど興味がなかった。ちゃんとピントが合っていて、ブレずに撮ることが何より重要だ。
 引き伸ばし作業でも、ピントとブレに細心の注意を払う必要があった。周辺部の粒子が流れてしまうと、ひどくがっかりする。素通しのネガキャリアの場合、長時間露光をすると、熱のために微妙にネガが伸縮する。かといって、絞りを開けると、周辺部のピントが甘くなることがあった。絞り開放の状態で、ルーペを使ってまず中心部のピントを合わせる。それから周辺部のピントを合わせようとすると、たいていの場合、ピントが外れている。最大公約数的なピント合わせをしてから、絞り込む。絞った状態で中心部、周辺部のピントをチェック。ようやく、印画紙をセットして露光することとなる。
 1980年代後半から、僕はイルフォードのマルチグレードを使っていた。フィルターによって号数を変えられる印画紙。引き伸ばしレンズの下にフィルターをセットすることになる。そうすると、ピント合わせはさらに難しくなった。マルチグレードは非常に便利な印画紙なのだが、80年代から90年代にかけて、僕は右目を極端に酷使する生活を送っていた。
 そんな記憶がよみがえり、目の前にある引き伸ばしレンズを手元に残すかどうか迷っている。 

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