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紙の本と電子書籍50 紙の本の将来

紙の本と電子書籍50 紙の本の将来

午前7時半SLOW living。8時過ぎ帰宅。11時、ZOOMミーティング。午後は中札内村へ。3時K社訪問。SLOW livingに立ち寄ってから帰宅。7時、中小企業家同友会とかち支部拓の会6グループ(電子書籍グループ)9月例会。電子書籍の概要とプロジェクトの進捗報告。8時50分終了。

紙の本の将来

コロナ禍になってから、あちこちでペーパータオルが使われるようになった。我が社の洗面所にもペーパータオルが設置されている。そろそろ改めるべきかもしれない。各自ハンカチを使って手を拭けばよい。手を拭くためだけに貴重な紙資源を使うべきではない。
 というのも、このところの用紙価格の高騰は非常に深刻であるからだ。家庭紙と印刷用紙の違いはあるが、原料、燃料、運賃の上昇が響いている。今年は年に2度の値上げ。オイルショックの頃との違いは、需要が縮小する中で価格が上昇しているという点にある。需要が蒸発したとも言えるが、蒸発したのではなく、デジタルに置き換わったと考えるべきだろう。実際のところ、我が社でもデジタル分野の受注は拡大している。
 しばらく前から、製紙メーカーは用紙の品目を絞り込んでいる。印刷会社は多品種よりもコストを重視しているためだ。デザイナーやプランナーは個性のある紙を求めているかもしれない。しかし、コスト上昇が無視できないレベルになると、紙質の微妙な差にこだわるのは合理的ではない。僕は紙よりもコンテンツ重視という考え方。紙質はある程度妥協するようにしている。
 今は急速な紙離れを食い止めることが先決。紙の本を守るためには、電子書籍との棲み分けを考える必要があると思っている。ハードカバーで出版された本がしばらくたってから文庫本になることがある。同じように、紙の本を先行発売させ、その後電子書籍化するという方法もあるだろう。
 電子書籍にはさまざまな機能を付加させることができる。昨日の例会でも話題に上ったが、動画との連携は電子書籍の得意とするところだ。紙の本の場合はどうか。もちろんQRコード等を使って連携させることは可能だ。だが、電子書籍に比べるとひと手間余計にかかる。紙媒体には紙ならではの付加価値が必要ではないか。
 そのヒントとなるような冊子を僕は先週購入した。糸かがり閉じだが、ハードカバーではなくカジュアルな装丁になっている。このような形態の作品集であれば、このままフレームに入れて部屋に飾ることができるのではないか……。製本の仕方を工夫することで通常の本とは違った価値が生まれる。製本方法に限らず、紙媒体への価値の付け方にはまだまだ工夫の余地があるだろう。
 SLOW livingの店内には、雑貨化された紙媒体が多数置かれている。紙の本も雑貨に近づいていく。そうなると、出版社も書店も根底から発想を変えていく必要がある。従来通りの本だけではなく、雑貨対応の本の開発が求められる。

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