
10月8、9日は「スロウ村の仲間たち2023」。会場はめむろ新嵐山スカイパーク。2日間とも晴天に恵まれた。これはスロウ村が始まってから初めてのこと。おかげで来場者数は過去最多となった模様。2日間で1万人を超えたと思われる。渋滞の発生やトイレの行列など課題もあるが、スロウ村にお越しいただいた方々には楽しんでいただけたのではないかと思う。出展者、芽室町、関係者の皆様に感謝したい。
主要な出来事の研究
周年記念誌が単なる出来事の羅列になってしまってはおもしろみがありません。そこで重要となるのが主要な出来事をいかに興味深い記事にまとめるかということ。「主要な出来事」ですから、起こった出来事そのものについては、読者の多くが知っていると考えて差し支えないでしょう。したがって、読者が知らない事実や背景をどれだけ伝えることができるのかが記事の質を左右することになります。
研究の方法は2通りあります。当時について知っている人がいたら、できるだけ早い段階でインタビューすることです。複数名が関わっているようであれば、座談会を実施するとよいでしょう。直接話を聞くことができれば、興味深い事実やエピソードを知ることになるはずです。話が進むうちに、誰も知らないような秘話が飛び出す可能性もあります。僕が制作に関わった記念誌でも、当事者以外誰も知らないような事実が隠されていたことが判明しました。記念誌づくりで一番おもしろいのがインタビューや座談会かもしれません。
当事者全員が他界してしまっているようなケースもあるでしょう。この場合、可能であれば当事者から直接話を聞いている遺族などにインタビューしてみましょう。
いずれも困難であれば、「調べること」が研究活動のメインとなります。「出来事」を中心に、その背景を掘り下げていくということです。
まずは出来事それ自体を詳しく調べます。そうするとキーワードと思える言葉が目に飛び込んでくるはずです。たとえば、戦時中の出来事について調べていくうちに何度も「援農」という言葉が出てきたとすれば、「援農とは何か」「どのように実施されたのか」「なぜ援農が必要だったのか」など掘り下げていくことが可能です。援農については史料、文献が豊富に存在します。伝えたい出来事そのものは情報が少なかったとしても、周辺の出来事や歴史的背景などを加え、厚みをつけていくことによって、読み応えのある記事にまとめることができるでしょう。
企業、団体、学校、いずれも地域社会と深く関係しながら歴史を積み重ねています。したがって、当時の社会、とりわけ地域社会について調査することが不可欠です。その際、活用すべき文献は市町村史でしょう。僕の住む帯広の場合は帯広市史ということになります。他にも調べるに値する文献は多数存在します。周年記念誌をつくる中で、地元の図書館には何度も通うことになるに違いありません。
※写真は第7回軽印刷文化典。日本グラフィックサービス工業会(ジャグラ)の前身、日本軽印刷業組合連合会の時代と思われる(たぶん1964年頃)。