
午後、池田高校へ。昨年に続いてインタビュー講座を担当した。これは同校のキャリア教育「地域人インタビュー」の準備として実施したもの。前半はスロウ編集長による取材の心得、後半は撮影技術。あっという間の2時間だった。「地域人インタビュー」は教育面でも有意義だが、同時に地域の記録としても価値が高い。地域の歴史、文化、出来事は時間の経過とともに忘れられやすい。誰かが記録しておかないと、地域の中で空白の歴史が増えてしまう。教育と地域史の記録をセットにしているところに価値があると感じた。
インタビューの手配と実施
インタビューとは「新聞、雑誌、放送記者が記事をとるために人と面談すること」。雑誌づくりでは、インタビューという言葉はほとんど使いません。通常は「取材」ですね。周年記念誌におけるインタビュー(取材)は、記事を書く際の情報を得るために行われます。したがって、「出来事の当事者」または「情報を持っている」人に対して、インタビューを申し込みます。相手のスケジュールにもよりますが、たいていの場合は快く応じてもらえるでしょう。
遠い過去の出来事であれば、インタビューすべき対象が見つからない、連絡先がわからないといったケースも考えられます。誰が情報を持っているのかを探るところからインタビューの準備が始まると考えるべきかもしれません。
幸いにしてインタビューの相手が見つかり承諾が得られれば、インタビューの日時や場所を選定します。一番よいのはインタビュー対象者の自宅や職場(または元職場)でしょう。話を伺うだけではなく、写真を撮影するため、その人にふさわしい場所を選ぶことが大切です。学校の周年記念誌であれば、教室を借りてインタビューするのもよいでしょう。
インタビューに必要なものは、ノート、ペン、ICレコーダー、そしてカメラ。ICレコーダーについては、スマホの録音機能でも代用可能です。
プロのインタビュアーではありませんから、スマートにインタビューをこなす必要はありません。周年記念誌のページをイメージし、知りたい項目をあらかじめノートに記入しておくとよいでしょう。複数の人に同様のインタビューを実施するのであれば、インタビューシートを用意しておくのも一案です。
インタビューで注意すべき点は、5W1Hをしっかり聞き取ることです。「いつ」「誰が」「何を」「どこで」「なぜ」「どのように」の5W1H。ここが曖昧なままだと執筆が進みません。聞き漏らした場合は、後日電話やメール等で確認するようにしましょう。
専門用語や固有名詞にも注意が必要です。わかりにくい言葉が出てきたときはその都度確認しなければなりません。名前、地名、施設名、商品名などは表記を間違えないよう、できるだけその場で確認するようにしてください。
写真撮影における注意点は、さまざまなバリエーションを撮っておくということです。人物写真については正面、斜め、横。そしてアップ(上半身)とロング(全身)。撮影場所によって制約はありますが、何パターンか押さえておきましょう。人物以外にも撮影しておきたいものがあります。テーマに関連する資料、施設、思い出の品々といったもの。また、インタビュー対象者から当時の写真を借りるのもよいでしょう。
※写真は1960年代前半、大通南13丁目。左端に「日邦社高原印刷」の看板が見える。今朝偶然この写真を発見し、驚いた。当時の写真が残っていたとは知らなかったのだ。