
おはようございます。
昨日は苫小牧にあるイコロの森へ。LOPPIS SUMMER MARKETの取材。買い物をして食事をしてガーデンを歩く。いい空間ですね。
帰宅後、自宅のPC環境を整えるべく活動していましたが、なぜか通信に時間がかかっている。必要なものがダウンロードできない。あきらめて夕食に。
必要な情報がインプットできない。あるいはちゃんと伝えることができない。これはPCの問題というより僕の問題であり、我が社の問題でもあります。今朝になって、「次世代幹部養成塾」のリニューアルをしようと思い立ちました。
はじめに
次世代幹部養成塾は我が社で月2回行われている勉強会です。かつては2回とも早朝勉強会でした。今は月初めの勉強会は午前7時から、第4月曜開催の後半は午後5時半からとなっています。誰でも自由参加可能なため、必ずしも次世代幹部という位置づけの人ばかりではありません。
現在は第9期。つまり、9年前の2009年にスタートした勉強会。2009年の時点で、「12期まで開催する」と宣言していますから、あと3年、2021年まで続けることになるでしょう。もしかしたら、その後も形を変えて続けるかもしれません。
開催の仕方は9年間のうちにずいぶん様変わりしました。本当はものすごく真剣な勉強会で、参加者にも本気が求められる内容でした。講師役の僕はそれ以上に本気であり、開催日前日は準備作業に没頭。養成塾当日はいつも睡眠不足という状態でした。
9年前、僕が感じていた危機感のようなもの。これは今も変わることなく持ち続けています。養成塾との因果関係は不明ですが、実際に「若手」から「幹部」へと成長していった人もいます。これからも続々幹部が輩出されることになるでしょう。
ただ、初期の次世代幹部養成塾を知っている参加者は少なくなりました。僕はもう何年も前から、使用したテキストを書籍にしようと考えていました。社内限定でオンデマンド出版すればよいと考えていたのです。ただ、どこかに引っかかるものを感じ、まだ書籍化されぬまま今日に至っています。
それを修正・加筆してもう一度まとめ直そうというのが今回のシリーズの目的です。ちゃんとまとめることができるのでしょうか?
僕はこれまで自分が一人前の経営者になることばかり考えていました。この発想がちょっとずれていたようです。自分が一人前になったら、若手にメッセージが伝えられるようになる……。この考えは間違っていました。経営に完成はなく、これで一人前という合格ラインが存在するわけではない。たぶん、自分は未熟さを感じ続けたまま、人生最後の日を迎えることになるのでしょう。
一方では、深刻な事態が静かに、そして着実に進行しています。当たり前の話なのですが、1年に1歳ずつ年をとっていくという事実。
社員全員がひとつずつ年をとるのなら、深刻度の意味合いは別なものになるでしょう。この場合は「高齢化」という問題ですね。
実際には定年退職する人と新卒で入社する人がいます。社員の平均年齢はほぼ一定している。平均年齢は30数歳で変わらないのに、自分は年々年をとっていく。つまり、若手の人との年齢差が確実に広がっているのです。
東京時代、僕は20代から30代でした。1989年に会社を設立。社員との年齢差はひと桁。30代後半、「どうも話が合わない」という事実に気づきました。気づくと、年齢差はひと回り以上広がっていた。もう、ストリート系ファッションの仕事はできないな、と感じました。
ソーゴー印刷に入社したのは39歳のとき。位置づけとしてはたぶん青年経営者。若返ったというよりも、自分がいかに未熟であるか、思い知らされました。ただ、多くの社員と比較的年齢が近かったのは幸いでした。僕の40歳前半は激変期。人生も変わりましたし、会社も変わりました。
50代が近づき、新卒の新入社員の親とほぼ同世代だということに気づきました。ついに、親子ほどの年齢差になってしまったか……。メッセージを伝えるのは容易なことではないな。伝え方を変えていこう。そう思ったのが次世代幹部養成塾のきっかけのひとつ。
設立したばかりの会社であれば、社長の声はストレートに伝わるもの。年齢が近ければ、仲間意識が生まれ、一体感のある企業経営ができる。たぶん、設立から10年間くらいは急速に成長する可能性があるはず。
ところが、トップと社員との年齢差、経験差が広がっていくと、社員は社長のことを「仲間」ではなく、「上司」として認識するようになる。社長が仲間意識で接したとしても、事実上不可能となっていく。
このあたりから、一体感による経営ではなく、経営理念に基づく組織運営が求められるようになる。トップとの人間的つながりよりも、理念的つながりを強化すべきなのです(人間的つながりも重要ですが)。
ここで重要となってくるのが幹部の役割ということになります。社長は理念を語れば語るほど観念的になっていったり、きれいごとを語ることになってしまう。できるだけ美しい世界をみんなに見せたいという思いが強い。現実の仕事から離れた話が増えてしまうのです。
理念と実際の仕事を結びつけて語ることのできる人。それが経営幹部なんですね。自社の理念、価値観、伝統、社風をよく知っていて、それを日常業務と関連させながら若手に伝えていく。それを的確にできる人はさほど多いわけではありません。
そうした経営幹部に必要な情報を提供するというのが次世代幹部養成塾の目指すところ。かなりボリュームがあるので、ときどき別な話題を織り交ぜながら、8月いっぱいくらいまで連載してみたいと思います。