
昼間は猛スピードで原稿を書く。夕方、中小企業家同友会とかち支部事務局次長K氏の送別会。8年間の出来事を振り返ったら、少し飲み過ぎた。
座談会の実施と記録
座談会の実施方法も基本的にはインタビューと同じです。ただし、決定的に異なるのは、話を聞く対象者が複数名いるということ。必然的に難度が高くなることを覚悟しなければなりません。
最初にすべきことは、参加者全員に座談会の目的とテーマを理解してもらうことです。テーマが不明確になると、座談会参加者はそれぞれ好き勝手に話を進めてしまいます。テーマを掘り下げられず、収拾がつかなくなるという事態だけは避けたいもの。簡単なシナリオを用意して、座談会開始前に配付しておくとよいでしょう。
座談会では司会者がもっとも重要な役割を果たします。参加者に自由に語ってもらいながらも、効果的な質問を投げかけ、テーマから逸れていかないよう座談会全体をコントロールします。話を掘り下げたり、わかりにくい話の説明を促すのも司会者の役割。司会は編纂部員が担当するのが一般的ですが、参加者の中からリーダーを選んで司会役を依頼することもあります。進行を丸投げすると企画意図と異なる座談会になることがありますから、編纂部員が必ず同席するようにしましょう。
座談会で注意すべき点のひとつは、「誰が発言したのかハッキリわかるようにする」ということです。ICレコーダーの音声を後日聞いてみたら、誰の発言なのかわからなくなってしまった……というケースがたまに起こるものです。司会者が「○○さん」と呼びかけるなど工夫する必要があるでしょう。
一番簡単なのは、録音だけではなく録画することです。L字型に席を配置して、座談会参加者全員が映るようにしてから座談会を開始する。一目瞭然ですし、映像史料として動画自体が価値を持つことにもなります。
座談会は開催した後にも大変な作業が待ち受けています。ひとつは「文字起こし」、もうひとつは「話を整える」ことです。慣れていない人にとっては、どちらも負担に感じることでしょう。
文字起こしは自力で何とかしようとは考えず、外注するほうが合理的。編纂部員にはすべきことがたくさんありますから、文字起こしにかかる費用は予算化すべきです。
すべての話がいったん文章になってから、編纂部の担当者が話を整えていきます。これは実際に行ってみると実に大変な作業。そもそも話し言葉は理路整然としていませんから、そのまま文字にしても意味不明な話になってしまいます。前後の文脈から解釈しながら、意味の通る話にリライトしていく。と同時に、不要な言葉を取り除く必要もあります。2度3度と同じ話が繰り返し出てくることがあるからです。困難は伴いますが、できる限り編纂部員が座談会の原稿をまとめるのがよいと思います。
※撮影年不明。おもしろいのは、1960~70年代前半「車が主役」と思われる記念写真が多数見られること。経済的に豊かになっていくのを実感できた時代。