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周年記念誌のつくり方22 校正から校了まで

周年記念誌のつくり方22 校正から校了まで

問題解決のために調べ物をした。問題と思っていたものは問題ではないとわかった。さらに、確認のため関係機関に問い合わせた。お墨付きを得た。やはり、自分の目と耳で確認することが重要だ。

第5章 校正

校正から校了まで

原稿を入稿するとひと安心するものです。しかし、ここで力を抜いてしまってはいけません。入稿後には校正という作業が待ち受けています。
 校正は一度では終了しません。周年記念誌のような冊子の場合、2度、3度と繰り返すのが普通です。ただし、校正と修正の繰り返しを延々行っていたのでは、いくら時間があっても足りません。印刷会社・出版社によっては割増料金が発生することもあります。初校、2校、3校。3回くらいが妥当ではないでしょうか。
 最終の校正を戻すことを「校了」と言います。もう修正する箇所はないということ。校了すると、印刷会社では印刷の工程に移行します。これを「下版」と言います。ここまでくると、もう修正はききません。
 編纂部が行うべきことは、できるだけ初校の段階で入念にチェックし、修正箇所を赤入れすることです。
 本来であれば入稿前にチェックするような直しも出てくることでしょう。たとえば事実関係の誤りに気づいたり、文章表現上の修正や加筆といったもの。「校正」だけではなく、「校閲」(第三者による事実確認修正)や「推敲」(書き手による加筆修正)も行っていきます。校正紙にたくさんの赤が入るのは担当デザイナーにとって大きな負担となるものですが、これはやむを得ないプロセスでもあります。
 初校の段階で文章表現上の修正やファクトチェックはすべて済ませるようにしましょう。2校、3校で校閲や推敲をすると、ミスにつながりやすいもの。3校では直しを入れた箇所が確実に修正されているかどうかをチェックします。もし、3校の段階で赤がたくさん入っているようなら、うかつには校了できません。もう一度校正紙を出力してもらうことになるでしょう。
 ここまで述べてきたのは文字に関する校正ですが、写真等の色に関する校正を行うこともあります。「色校」と呼ばれます。近年はデジタル化が進み精度が高まっていますから、本文ページに関して色校の必要はないでしょう。
 一方、周年記念誌の顔となる表紙カバーは、色校で確認するようにしてください。なお、印刷の色味は使用する用紙によって差異が生じます。本紙校正(実際に使用する紙を用いて色校正すること)が理想ではありますが、コスト面を考えると簡易校正(インクジェットプリンタを使ったものが多い)でも十分だと思います。

※写真は1971年会社案内より。文字製版課。

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