
夕方、中小企業家同友会とかち支部の「人を生かす経営推進プロジェクト会議」に出席。30分ほど事例報告。だが、我が社では「人を生かす」ことが十分できているとは言えないなぁ。できている部分もあるが、まだまだ不十分だ。話しながらつくづくそう思った。会議後半では、参加者から素晴らしい事例の報告があった。
校閲の役割
当社の編集部内で「校閲」という言葉が使われたことは、たぶん一度もなかったはず。校閲という言葉はあまり一般的ではないと思います。ただ、編集者は校正作業をする中で、校閲を当然のことのように行っています。
校正が文章の誤りを修正するのに対して、校閲は書かれている内容の誤りを修正していく作業。雑誌でもそうですが、とりわけ周年記念誌では非常に重要な役割を果たすことになります。事実誤認を防ぐために、ときには原稿執筆以上の時間を費やすことがあるでしょう。
校閲者は執筆者とは別な人が担当するのが本来の姿。しかし、校閲できる人が他に見当たらない場合は、執筆者が兼務する場合もあります。その際は、客観的にシビアに自分の文章をチェックしなければなりません。
校閲の作業内容には次のようなものがあります。
・固有名詞の確認
・年代、日付、数字、単位などの誤りはないか
・住所、電話番号、企業・店舗情報、URLなどが正しいか
・事実関係や内容に矛盾はないか
・差別的あるいは不適切な表現が含まれていないか
・著作権等の問題はないか
校閲には情報リテラシーの能力が求められます。疑問に思ったことを徹底的に調べて真相を明らかにする。そんな意欲と能力を持った人が向いています。
周年記念誌では歴史的事実の解明に多くの労力を費やすことになります。古い時代にさかのぼればさかのぼるほど、史料が少なかったり、理解困難だったりするものです。このため、強引な解釈をしてしまい、結果として事実関係の誤りや矛盾が生じることがあります。
執筆者自ら校閲を行うのはやはりリスクが高いと言わざるを得ません。理想としては、その道の専門家のような人に校閲を引き受けてもらうことでしょう。
校閲をスムースに行うためには、執筆者が「何を参考に書いたのか」「誰の証言か」を明示することが大切です。記事のどこか(通常は文末かキャプション)に必ず出典を記載するようにしましょう。校閲者はそれをもとに改めて事実確認を行います。そして、自分の知る事実や別な文献と照らし合わせて、記載内容が適切なものかどうかをチェックすることになります。
※1996年1月、ソーゴー印刷の写植オペレーター。写植機は今も当社エントランスに1台展示されているが、これが何なのかを知っている人は少ない。