
またしてもブログの更新が疎かになってしまった。
12月1日、「周年記念誌のつくり方」を無事下版。あとは完成を待つのみとなった。ブックレットをつくるのは久しぶり。下版後、小冊子とブックレットの違いについて気になった。調べてみると、小冊子とは「表紙を除き5ページ以上48ページ以下の非定期刊行物」を指すらしい。今回の冊子は68ページ。ブックレットと呼ぶことにしよう。次のブックレットのテーマを「実用書・ビジネス書のつくり方」に決めた。これまで僕は実用書・ビジネス書を10冊出版してきた(うちブックレット2冊、電子書籍4冊)。比較的すんなり出版する方法を確立しつつある。それぞれの専門知識を生かして本を出す人が増えていけば、人材育成や地域経済の活性化につながっていくに違いない。
第1章 目的とテーマ
なぜ出版するのか
デジタルファーストの時代。知りたいことがあればまずネット検索。しかもパソコンではなく、スマホを使って調べることが多くなりました。若手の人たちと会話をすると、話しながらでもスマホで検索しています。生成AIの普及により、その傾向はさらに強まることでしょう。
新聞、雑誌、書籍など紙媒体の作り手にとっては厳しい時代ですが、さほど悲観的に捉える必要はないのかもしれません。薄い情報はネットで事足りますが、深い情報や体系的な知識を伝えるには、やはり紙媒体のほうが向いています。情報の棲み分けが進んでいき、紙の本はこれからも必要であり続ける。ここ数年、そう思うようになってきました。
その際、「自費出版」が重要な役割を果たすことになると筆者は確信しています。商業出版物は「売れる」ことが前提条件。だから、どうしても売れ筋に沿った出版物となる傾向があります。良書もある一方、大衆迎合的な本が多いのです。一方、自費出版は「著者の出したい本」に絞られます。狭いターゲットに向けて、ニッチな、あるいは濃い情報が述べられている。ここが自費出版の価値と言えるでしょう。
また、大都市圏以外では商業出版というものは成立しにくいもの。地域にとって必要な情報や知識は自費出版という形で伝える(または記録する)ことが重要ではないかと考えます。そのような意義を感じて出版物をつくる人がここ十勝にも少なからずいます。当社も長年の自費出版事業を通じて、多くの著者の出版活動に関わってきました。
時代は変われども「伝えたい」「記録したい」という欲求は、誰もが持っているものと言えるでしょう。時間とともに消えてしまったり、埋没してしまうネットでの情報発信でよしとするのか、それても紙の本という確かな形で残すのか。デジタル媒体の即時性と紙媒体の記録性。両方の強みを組み合わせて、効果的な情報発信および記録することが重要であると思います。
本書では、実用書またはビジネス書を出版するための考え方と手順を具体的に述べていきます。
※写真は実用書でもビジネス書でもありませんが、僕の最初の著書。2000年7月発行。ソーゴー印刷(現クナウパブリッシング)入社2ヵ月目のことでした。