
あっという間に年末ムードが漂ってきた。12月は本当に時間の流れが速い。コロナ前と同じくらい忘年会の予定が入っている。10年前くらいから、深酒することはなくなったが、仕事はどうしても遅れ気味となる。ブックレットにする予定の「実用書・ビジネス書のつくり方」。正月明けには原稿を仕上げたいところ。かなりペースを上げなけれなならない。
目的とテーマを決める
「目的とテーマを決める」という見出しにしてみたものの、考えてみるとちょっと変な話かもしません。目的・テーマがあって本を著すわけですから。
したがって、ここでの「決める」とは「明確にする」ことだと理解してください。目的やテーマがぼんやりした状態のまま書き始めると、読者にメッセージが伝わらなかったり、話が脱線してしまうことがあります。危険なのは「長い文章を書くのが得意だ」と思っている人。焦点が定まらないまま、ページだけ増えていくのは避けねばなりません。
何のために本を著すのか。目的は大きく2つに分けられるでしょう。
1.自分の持っている情報、技術、ノウハウ、考え方を読者に伝える
2.自分または自社の商品・サービスに関心を持ってもらう
「1」は一般的にイメージする実用書、ビジネス書。書店へ行くと、さまざまなタイプの「○○入門」といった本が並んでいます。また、企業経営者、教授、専門家らによるビジネス書も無数と言ってよいほどあります。本離れが進んでいるとはいえ、人生を豊かにする上で読書は欠かせません。とりわけビジネスパーソンにとって、実用書やビジネス書は仕事力向上に必要不可欠なものと言えるでしょう。
一方、「2」の出版目的は少し異なります。「1」の要素を盛り込みながら、最終的には自社および自社商品のPRにつなげていくことが目的です。つまり、マーケティングツールとしての実用書、ビジネス書です。「2」のタイプの本にも当然ながら読者にとって有用な情報が盛り込まれています。情報提供に留まらず、さらに興味を持った読者に対して、商品、関連書籍、セミナー等を勧めるのが「2」のタイプの本です。
目的の次に明確にすべきものはテーマです。
テーマはできるだけ狭く絞り込むほうがよいでしょう。「本のつくり方」といったざっくりしたものよりも、「周年記念誌のつくり方」のほうがテーマとしては明確。一般的には狭く絞るほうが伝わりやすいもの。絞れば絞るほど、そのテーマに興味を持つ人が読者となってくれるでしょう。
本のテーマは書名に表れます。書名の中には、明確性やメッセージ性、できれば具体性があるとよいでしょう。10数年前から「人は○○が9割」という書名の本が目立つようになりました。これは絞り込まれてないテーマに「9割」という具体性(根拠はともかく)を加えて、メッセージ性を高めた例と言えるでしょう。絞ることが困難な場合はメッセージを強めるのも一案と言えるかもしれません。
※これまでに著した文庫本。左の2冊は自分の考え方を述べたもの。右の2冊はマーケティングツールとしての実用書。