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実用書・ビジネス書のつくり方03 読者層の特定とニーズ分析

実用書・ビジネス書のつくり方03 読者層の特定とニーズ分析

最低気温マイナス15度前後の日々。真冬に突入した。体はまだ冬仕様になりきっていない。小学校の頃、先生から「体を顔にしろ」と言われたことを思い出す。顔はどんなに寒くても露出している。体を顔にすれば寒さは克服できるという意味だ。今、このようなことを言う大人はいないはず。長靴をストーブで温めたことも遠い昔、昭和の記憶となってしまった。

読者層の特定とニーズ分析

実用書やビジネス書の可能性を最大限に引き出すためには、まず誰に対して話しかけているのかを知ることが不可欠です。たとえば、起業家精神を高める本であれば、起業家を目指す学生や初期段階のスタートアップ経営者がターゲットとなるでしょう。住宅の性能やデザインに関する本であれば、マイホームの購入を検討している人がターゲット読者となります。
 本の目的、テーマが決まったら、ターゲットとなる読者層を特定し、読者のニーズを把握しましょう。読者はどのような問題や悩みを抱えているのか。何を知りたいと思っているのか。そして、その情報をどのような形で伝えてほしいのか。
 ニーズ分析のためアンケート調査が行われることもありますが、自費出版の場合、その必要はないでしょう。アンケートの結果に縛られて、自費出版本来の強みである「著者の出したい本」からかけ離れたものとなってしまう危険があるからです。
 アンケートや統計データよりも、身近な知り合いや同僚にインタビューしてみることをお勧めします。インタビューと言ってもかしこまったものではなく、雑談の中で2、3質問する程度で構いません。どのような本だったら読んでみたいと思うのか。どのようなことに問題意識を持っているのか。できるだけターゲット読者に近い人から話を聞くようにしてください。会話の中から何かしらヒントが得られるはずです。
 読者を特定し、ニーズを分析する。そうすると本の構成や全体のボリューム(ページ数)、本文と図版のバランス、望ましい文体、初心者向けか上級者向けか……など明らかになっていくことでしょう。
 マーケティング手法のひとつに「ペルソナ分析」があります。架空の顧客像を設定し、作成したペルソナ像に合わせて商品開発やプロモーションを行うのがペルソナ分析のやり方です。この手法は実用書、ビジネス書の出版にも応用可能。マイホームがほしいと思っている夫婦であれば、年齢、職業、居住地、年収、子供の有無、趣味……。さまざまな顧客像を設定していきます。
 著者であるあなたは、目の前にいるペルソナ(架空の読者)に向かって、その人にとって有用な情報を与えたり、アドバイスをしてあげるわけです。不特定多数の人々に向かって原稿を書くよりも、数段書きやすい、伝えやすいと感じるのではないでしょうか。ペルソナ分析を応用することにより、本の中身はより具体的、実践的なものとなることでしょう。

※写真はSLOW livingの倉庫カフェに設置されたペレットストーブ。僕の子供時代は小学校3年生までが薪ストーブ、4年生以降石油ストーブだったと記憶している。小学校、中学校は石炭ストーブだった。

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