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実用書・ビジネス書のつくり方05 著者の専門性と経験の活用

実用書・ビジネス書のつくり方05 著者の専門性と経験の活用

撮影技術と文章作成技術。どちらも我が社に必要な能力である。だが、みんなどのように技術を習得しているのか、僕にはよくわからない。写真についてはデジカメになり、比較的容易に撮ることができるようになった。一方、文章については校正段階で赤が入る。おそらく多くの人はここで学んでいるに違いない。写真も文章も、撮影以前、執筆以前の考え方や物事の捉え方によって表現に差が出る。考える力をどのように強化するのか。人材育成においてはここに本質的な課題がある。

著者の専門性と経験の活用

世の中には無数と言ってよほど実用書やビジネス書があふれています。ありふれたテーマでは、無数の本の中で埋もれてしまうことでしょう。したがって、テーマを狭く絞ることが商業出版でも自費出版でも欠かせません
 テーマを絞ると同時に、もうひとつ著者が考えるべきことがあります。それは著者の専門性と経験の活用です。実用書やビジネス書といえども、単なるハウツー本では付加価値が高いとは言えません。もっとも、最新情報、高度な技術、斬新な表現方法によって著されている本であれば話は別。そうした書籍であれば、技術・ノウハウだけでも出版する価値は大いにあります。
 しかし、読者が本当に知りたいのは情報の背後にある著者の考え方であったり、ビジネスアイデアを得たり技術を習得するに至るプロセスだったりするのです。そこでは著者の経験が重要であり、専門知識を持つに至ったストーリーがものを言うことになります。
 マニュアル本のような冊子は別として、実用書やビジネス書として価値ある出版物を目指すのであれば、著者自身の歴史や経験をストーリーとして紹介しながら、本来の目的である専門知識や技術、考え方を述べていくとよいでしょう。また、自社商品のプロモーションが目的の出版物であっても、なぜそのような商品・サービスが誕生したのか、自社(または自分)が持つ固有の能力とともに読者に伝えることが重要です。そこに読者は共感を覚え、本を読み進んでいくうちに深く理解したり、自社商品に関心を持つようになっていくのです。
 著者は自身の経験を通じて得た知識、技術、考え方を、読者が自らの状況に適用できるような形で提供する必要があります。人の歩んできた道はそれぞれ異なりますが、読者は著者の経験を自らの人生経験と照らし合わせながら、本に書かれている情報を効果的に取り入れたいと考えています。著者が専門知識を得るに至ったプロセスを知ることで、読者はより効果的に知識や技術を習得することができるに違いありません。
 著者が著すべき経験には、失敗や遠回りをした経験も載せるようにしましょう。著者が経験した失敗は読者も経験する可能性が高いと思われます。失敗を避けるよりも失敗を恐れず挑戦することが人生においては大切。本を著そうとする人であれば、数多くの失敗を経て今日に至っているはず。それを素直にそのまま読者に伝えればよいのです。

※僕が最初に身につけた専門技術はたぶん謄写印刷。ガリ切りの技術が今も衰えていないか、近いうちに試してみようと思っています。

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