
おはようございます。
一日自宅にこもって原稿を書いていました。僕の場合、テープ起こしに3時間程度費やします。といっても、一言一句テキスト化するのではなく、聞きながら重要な言葉を書き留めていくといった作業。それでも、2時間のインタビューには3時間程度の時間がかかってしまいます。
理想は音声認識によるテキスト化。しかし、実用にはほど遠いですね。以前試してみましたが、意味不明な文字の羅列になってしまいました。
さて、今日から「幹部はいかにあるべきか」について書き進めていこうと思います。といっても、偉そうなことを書くつもりは毛頭ありません。自分にもグサグサ刺さるような内容になるでしょう。幹部に求められるものは、社長にも求められているのです。
今回は「幹部に求められる価値観」について考えます。
人は何を欲しているか?
「河や海が数知れぬ渓流の注ぐところになるのは、身を低きに置くからである。その故に河や海はもろもろの渓流に君臨することができる。
同様に賢者は人の上に立たんと欲すれば、人の下に身を置き、人の前に立たんと欲すれば人の後ろに身を置く。
かくして、賢者は人の上に立てども、人はその重みを感じることなく、人の前に立てども、人の心は傷つくことがない」(老子)
幹部や経営者の目指すべき価値観とは、このようなものであるような気がします。我が社が基本的価値観として掲げている「対等」「共存共栄」も、これと同じような意味。
ただ、老子の言葉にはそれ以上の深みがありますね。老子は人に「重み」を感じさせるのではなく、「深み」を感じさせようとしているのかもしれません。僕のような人間にはまだまだ未知の領域です。
経営者、幹部、リーダーでありながら、人の下や後ろに身を置くとは、どのようなことを意味するのでしょうか? いかにリーダーシップを発揮したらよいのか? ここを考えてみなければなりません。
聖書には「凡て(すべて)人にせられんと思うことは、人にもまたその如くせよ」とあります。
自分の思いを叶えるためには、まず相手の望んでいるものを与える、または相手が望み通りの結果を得るために手助けをする。これが物事を成功に導き、結果として自分の望みを叶えるための大原則といえます。
それを実践するためにはどうすればよいか? 出発点は相手のニーズ、それも潜在ニーズを知ることです。本当は何が欲しく、どんな結果を求めているのか? それは相手が頭の中に描いているニーズ(顕在ニーズ)とは異なる場合が多いものです。
デール・カーネギーは著書「人を動かす」の中で、人は何を欲しているか、次の8項目を挙げています。
1.健康と長寿
2.食物
3.睡眠
4.金銭および金銭によって買えるもの
5.来世の生命
6.性欲の満足
7.子孫の繁栄
8.自己の重要感
もしかしたら、この8項目の他にもあるとは思いますが、大部分は網羅しているでしょう。
これら8項目をよく見ると、「自力で手に入るもの」と「自力ではどうにもならないもの」があることに気づくはずです。来世の生命とか子孫の繁栄といったものは、どれだけ求めても自分の自由にはならないものです。
ここでおもしろいのは8の「自己の重要感」でしょう。自己重要感は自力ではなかなか得られませんが、他人には簡単に与えることのできるもの。誰もが心から欲しているが、他人から与えられない限り満たされないもの。それが自己重要感というものです。
人の下や後ろに身を置きながら幹部としてリーダーシップを発揮するということは、絶えず相手の自己重要感を満たすことに腐心するということなのです。
自己重要感を与える
幹部の持つべき価値観をひと言で示すとすれば、「他人は自分と同じくらい重要な人間なのだと思う」ということかもしれません。そのことを折に触れて相手に伝えることが重要。見返りを求めず、相手に自己重要感を与えるのです。
もうひとつ幹部にとって大切なのは、「相手に対して必要以上の自己重要感を要求しない」ということ。自己重要感を与えることのみに集中する。自己重要感を要求する人は尊敬されない場合が多いものです。
では、自己重要感を満たしてあげるべき対象者は誰か? それは「あらゆる人」に対してです。
ところが、現実にはどうでしょう? 自分の部下や後輩に対して、自己重要感を十分に与えていないケースが少なくありません。お客様に与える自己重要感と同じくらい、部下にも与えるという価値観を持たなければなりません。
繰り返しますが、自己重要感は自分から一方的に与えるだけにするよう心がけましょう。求めるべきものではない。自己重要感を与え続ければ、求めなくても与えられるものです。なぜなら、あらゆる人がほしがっている自己重要感を与えてくれる人は、その人にとって重要な人間に他ならないからです。
自己重要感はほとんどの人が渇望感を抱いています。幹部の心得としては、まず自分の自己重要感が不足状態にならないよう、定期的に自分自身で補給することです。これは案外簡単なこと。アファーメーションの活用。その方法は後日説明することにします。
(続く)
