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第13回 テーマに手間取るな

第13回 テーマに手間取るな

おはようございます。今日は早起きです。起きたら2時半でした。出社前にたっぷり活動できそうです。
 雑誌の取材活動では取材先から話を伺うことで、自分たちの活動の意味を再確認する・・・ということがときどきあります。直接伝えられることもありますし、取材させていただいた方々の活動と僕らとの間に共通点を発見することもある。何か感じるところがあって取材先を決めるわけです。共通項や共感ポイントは必ずあるもの。取材活動は「記事を書くため」に違いありませんが、「自分たちの活動の意味を知るため」でもあると思っています。
 僕らは何か目的があって事業活動を行っているはずです。それが明確にわかっている人とわからずに活動している人がいる。わからないまま立派な仕事を成し遂げる人もいるでしょうが、目的は明確なほうがよい。そこで、人生目的を明らかにする。企業の場合は経営目的を明らかにするわけです。
 目的が明らかになると、自分が今情熱を傾けているものの正体が次第にハッキリしてくるものです。それをここでは「テーマ」とします。今回は文章のテーマについて考えていきましょう。
 言い忘れましたが、今日から第2章に入りました。

テーマはすでにそこにある

僕にはどうもよくわからないことがあります。
 「テーマが見つからない」とか「どのように見つけたらよいのか?」といった悩み。
 同じような悩みは、僕の専門分野である写真にもあります。「写真のテーマがわからない」「被写体が見つからない」・・・。わかります。僕にもそういうことがありますから。
 そんなときは0.5秒で結論が出てしまいます。撮りたいものがないのなら撮らなければよい。ただ、それだけのことです。雑誌等の仕事の場合には、撮りたくなくても撮る義務がある。したがって、気持ちを盛り上げ、撮影意欲が高まるようコンディションを整えていきます。どの分野でもプロの人はそうするでしょう。
 けれども、自分が好きで撮る写真、好きで書く文章であれば、必ずしも創作活動に追われる必要はないわけです。自分の裡から湧き出してくるものをただ待つだけでよいのではないかと思います。
 撮りたいものがあるから撮る。表現したい世界があるから、それを形にするのです。文章の場合も、伝えたいメッセージがあるから執筆する。したがって、もしテーマがないのであれば、無理に書く必要はないということになります。

いや、そうじゃないんだ。このもやもやしている気持ちをどうにかハッキリさせたいのだ・・・。そう感じている人もいるに違いありません。テーマを持ってはいるけれど、その正体がよくわからないという状態。非常によく理解できます。
 このもやもや感。いいですね。僕自身、もやもやした気持ちをいつも持っています。頭の中に霧がかかっているような状態。ごくたまに霧が晴れることがあり、隠れていたテーマが明らかになると非常にうれしい気持ちになる。数ヵ月に一度やってくる晴れ間に期待しながら写真を撮り、文章を書いている・・・。ここ10数年間、そんな活動をしているような気がします。
 そう考えていくと、テーマが明確であるかどうかは本当は重要ではないのかもしれません。「テーマを持っている」と自覚することが大事。わからないから行動しないのではなく、理由があり、必然性があると信じて行動すること。動いているうちに、自然に理由がわかってくる。そうして、テーマが自ずと明らかになっていく・・・。おそらく、多くの人がそういうプロセスを経て、魅力的な仕事をしているに違いありません。
 写真家の場合は撮影を続けながら明確にしていきます。文章を書く人は、書きながらテーマを明らかにしていく。もやもや感や停滞感を感じながらも、何か得体の知れない情熱に突き動かされている・・・。僕らはそれに期待してもよいのではなかろうか? すぐに結果を求めてはいけない。僕はそう考えています。

ハッキリ言いましょう。
 テーマを求めてはいけない。テーマ探しに手間取ってはいけない。テーマは探すものではなく、もともと自分の中に存在しているもの。ですから、探さなくても、その時が来れば自然に明らかになってくるのです。
 それよりも、自分の中にある強烈な欲求にしたがって、自分の今すべきことを着実に行っていくことのほうが大事だと思います。その欲求が自分の私的欲求ではなく、自社のため、地域のためになると信じられるものであれば、何もためらうことはないはず。
 文章を書くという活動は、プロでない限り経済的成功とは縁遠いものです。気が遠くなるような労力かけて文章を書き上げて、それが何になるのだ・・・と思ってしまうこともあるでしょう。それでもパソコンに向かっている(または原稿用紙に向かっている)自分がいるとするなら、そこには損得では計ることのできない価値がある。そう信じるべきでしょう。
 僕らが日々行っている仕事もまったく同じですね。経済的価値だけではなく、哲学的価値があるはずです。仕事人生を何10年続けられるかはわかりませんが、一生を通じて成し遂げたい、形にしたい何かがある。壮大なひとつの作品をつくりたい。そんな欲求が人間の中にはあるのではないかと思います。それを明らかにするため、もやもや感を抱きつつも、目の前の仕事に最善を尽くす。そんな毎日を僕らは過ごしています。
 今日はいつになく真面目に書いてしまいました。明日はいつもの超真面目な文体に戻そうと思います。では、今週も目の前の仕事に全力で取り組みましょう! 

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