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第4講 幹部の役割(後半)

第4講 幹部の役割(後半)

おはようございます。
 ちょっと寝不足の朝です。プレゼン資料2本完成。そして3本目を80%進めたところで力尽きました。パワーポイントで資料作成する際は、写真の有無が作業効率に大きく影響します。昨日も写真を探している時間が半分以上を占めていた。ここを何とかしなければ。あと、細かいところでは、フォントの問題がありますね。フォントには本当に悩む。プレゼン向きのフォントがないのです。ついディテールにこだわってしまう自分がいます。
 さて、「幹部の役割」の後半。幹部にはディテールにこだわる……のではなく、ディテールから気づくという能力が欠かせませんね。

状態管理

幹部に求められる第3の役割は、部下の状態を管理することです。小企業、零細企業の場合は社長がこの役割を果たします。数10名規模の企業の場合は、幹部数名がこのスキルを持っていなければなりません。
 状態管理とは、部下の持っている能力、実力を「ちゃんと使える状態に保つ」ことです。ところが、現実には能力がありながら、それを十分に使うことのできない状態になっていることが少なくないのです。
 落ち込んでいるとき、起こっているとき、倦怠感を感じているとき……。人は実力を十分に発揮することができるでしょうか?
 中には「できる」という人もいるかもしれません。けれども、「調子がよければ、こんな仕事は訳ないのに……」と思うような経験をほとんどの人が持っているはず。能力を持つことが大切なのと同様、それを使える状態にすることも同じくらい大切なことなのです。
 部下を持つ人は、自分の状態管理だけではなく、部下の状態管理まで行わなければなりません。チームとして最高のパフォーマンスを発揮するため、部下一人ひとりの状態管理をすることが欠かせないのです。
 この責任を全うするため、部下の業務管理ばかりではなく、精神面、プライベート面への関わりがある程度必要になってきます。どの程度必要かについてはケースバイケース。慎重に見極めなければなりません。
 ちなみに、僕の場合はほとんどプライベート面には踏み込まないようにしています。必要なときには、相手が負担に感じないよう、一般論として伝えることが多い。ただ、これは経営者のやり方。幹部には直接的に伝えねばならない場面が出てくるでしょう。
 具体的には、コーチングやカウンセリングのスキルが求められます。理論面はわからなくとも、自然とそのようにコミュニケーションを図っている人もいます。そうした人は少数派なので、やはりある程度の理論は知っておくべきでしょう。併せて、心理学を学ばねばなりません。当社社員は入社時からTA(交流分析)を学んでいるはず。これを表面的にではなく、深く、しかも多面的に身につけるのです。
 部下の状態管理には、幹部自ら高いエネルギーを持っていることも重要です。表現スタイルには人それぞれ個性があってよいわけですが、夢・ビジョンに燃えているということが部下に伝わらなければ状態管理はできません。
 人はエネルギーの高い人に引っ張られていくものです。しかも、それは一貫性のあるエネルギーでなければなりません。場当たり的なものではなく、ビジョンに向かっていく一貫したパワー。会社の理念、ビジョンとともに進んでいく……。そんな姿勢が上司から感じられたとき、部下のモチベーションは必然的に高まっていくことになるのです。

いい感じを醸し出す

状態管理と関連しますが、「周囲に好影響を及ぼす」ことも幹部の重要な役割です。
 僕は「幹部が文化をつくる」と考えています。企業文化は長い年月がかかって形成されていくもの。社歴の長い人、多くの場合は経営幹部が自社の文化に少なからぬ影響を及ぼすことになるのです。
 したがって、自社の企業文化に対して、幹部一人ひとりが責任を持たなければなりません。自分の日々の言動や行動が自社の企業文化に影響を与えている……。そう考える人はほとんどいないでしょう。けれども、それが5年、10年と続くうちに、自社の文化の一部となっていく。そのことに気づかねばなりません。
 全員が持つべき最低限の心がけ。人によっては「能力」といえるものかもしれません。
 それは「いい感じ」を醸し出すという心がけ(または能力)なんですね。これが幹部には求められる。ただ、「いい感じ」かどうかは、その人の性格とも密接に関係してきます。ですから、性格的にいい感じになりにくい人は、能力、技術として、どんな苦労をしてでも身につけていかねばなりません。
 子供の頃、漢字の勉強をしたように、幹部になる人は「いい感じ」の勉強をする必要がある。僕はそう思っています。感じの悪い上司に対して、部下は表面上従うことはあっても、心から共感し、協働の自発性を発揮することはないのです。
 いい感じかどうかは、直感的にわかってしまうもの。ですから、本来は技術的にどうにかなるというものではありません。これは僕の個人的な考えですが、自分の中にある「表裏」のようなもの、これを追放することで、いい感じに近づくのではないかと思っています。
 正直で表裏のない人。もっと積極的に言えば「ひたむきで純粋な人」。幹部の目指すべきところはここにあるのではないでしょうか?
 いい感じかどうか。そこにはコミュニケーションスキルも重要となってきます。しかし、社内を見渡すと、コミュニケーションスキルが低いように見えても、いい感じを醸し出している人が何人もいるんですね。
 コミュニケーションにはスキルよりもマインドのほうが大切。社内ではそう気づかされることが度々あります。

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