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第6講 経営マインド(前半)

第6講 経営マインド(前半)

おはようございます。
 午後1時半頃、帯広に戻ってきました。撮影データコピー、追加原稿等。3時から商品撮影。夕方、校正を戻す。怒濤のようにすぎていった6月も、気づくと今日が最後の日。7月は風景を撮りためたいと思っています。

まず、当事者意識を持つこと

経営マインドというと、「企業経営者に必要なマインド」だと思われるかもしれません。実際には、幹部にも、一般社員にも、パートにも必要なマインド。「自分は自社の経営に参画している」。その意識を持つことが経営マインドの出発点となります。
 さらに一歩進んで、「自分が会社を動かしている」という意識を持つようになると、自分にはもっと経営センスを磨く必要があるということに気づくでしょう。
 感性豊かな人であれば、このようにも感じるはずだと思います。
「自分の人生にも経営マインドを持つことが重要だ」
 そうなんです。経営マインドは自分の人生をより豊かに、より幸せにしていくために欠かすことのできない意識なのです。自社の経営に参画する、自分自身が会社を動かす。それと同じように、自分の人生に対して当事者意識を持って、自分で自分の人生を動かしていく。ちょっと考えれば当たり前の話。けれども、案外この重要事項を見落としている人が多いのです。
 経営マインドを持ち、経営センスをいかに磨いていくか? ここが次世代幹部養成塾の目指すところのひとつです。経営者、経営幹部として持つべきマインドとセンス。社会人としての健全な価値観を持った人であれば、あるレベルまでは比較的すんなり身につけることができるはず。
 問題はそこから先の話。それはリーダーと一般社員の違い、あるいは経営幹部と名ばかり幹部との違い……といったらよいのでしょうか。ある一線を越え、本気で経営するという自覚と自信を持たねばならないのです。本講はあくまでも入門編。本物の経営マインドを持つには明確な意思決定が必要ですし、本物の経営センスを身につけるまでには、数多くの葛藤とチャレンジを経験することになるでしょう。

明確に意思決定する

企業経営は人生の経営とよく似ています。ですから、経営マインドについて理解しにくいと感じている人は、自分の人生に置き換えて考えてみることをおすすめします。
 まず、経営という言葉をハッキリさせましょう。辞書には「事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。また、そのための組織体」とあります。
 これだけではやや物足りないので、中国最古の歴史書「書経」から引用してみます。
「土地をはかって縦線と外枠の線とを引く。転じて、土台をすえて建設すること」
 大昔、経営は建設用語だったんですね。そして、ここで重要となるのは、「縦線」と「外枠」であることがわかります。経営の経が縦線。これは「物事の筋道」といってよいでしょう。そして、営が外枠。「領域を定めて事業を営む」ということ。
 多くの企業は経営理念、経営目的といった形で、自社の筋道を簡潔な言葉で表現しているはずです。個人でいえば、人生目的や志といったものになるでしょう。
 「自分にはそんな立派な志はない」という人もいるかもしれません。しかし、明確に言えることがひとつあります。ほぼ例外なくすべての人が「幸せになりたい」という人生目的を持っているということです。
 「幸せになる」という漠然とした人生目的を少しずつ具体的なものに変えていく。自分がどのように成長し、どんな成果を獲得し、どんな生活を送るようになったら「幸せ」といえるのか? 実際にはそう単純なものではありませんが、具体的に考えることが大切です。
 目的が定まれば、次は「継続的・計画的に意思決定を行って実行に移すこと」と「事業の管理・遂行」です。
 ここで大事なのは「意思決定」という言葉。果たして、僕らは毎日自分で意思決定しているのでしょうか? 他人の意思によって動かされている、決まりきった仕事をこれまで通り行っている、あるいは自分には意思決定する権限はない……などと考えていないでしょうか?
 企業経営にも人生経営にも欠かせないのは、「明確に意思決定する」ということです。意思決定しないという選択肢を持つべきではありません。
 残念なことに、世の中には「失敗しない生き方」を求めている人が数多くいます。ほとんどの人は心の安定を求めているはず。そのために失敗を恐れるという心理が働くわけですが、失敗のない人生から心の安定は得られません。「心の安定」と「失敗しない生き方」は別物。仮に心が安定したとしても、今度は「退屈」という苦しみを味わうことになるでしょう。
 人生を「チャレンジの場」と捉え、明確に、そして継続的に意思決定し、実行に移す。それが「経営する」ことであり、そうした意欲を持っている人が経営マインドを持った人ということになります。
 意思決定し実行すれば、成功または失敗という結果が出ます。経営センスを持った人であれば、失敗という言葉を「学習」に置き換えることができるでしょう。自己成長する上で学習は大切なものですから、学習(失敗)を恐れる必要は何もありません。
 ちなみに、僕の場合は「貴重な教訓を得た」と言うようにしています。
 前向きにチャレンジし、成功すれば万々歳。たとえうまくいかなかったとしても、「学習」または「教訓」が得られるのです。マイナス要素は何もありません。
(続く)

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