第9講 世の中の動き

第9講 世の中の動き

おはようございます。
 雨と低温。農業者の方々は大変ですね。早く晴れることを祈るのみです。
 僕はほぼ一日自宅でさまざまな課題に取り組んでいました。進む進む。ずっと気になっていたことが次々片付く。こういうことは年に数回あるかどうか。いい感じです。
 そして、待ちに待った(もしかしたら忘れかけていた?)荷物が届きました。修理に出していたノートPCが戻ってきたのです。無事復活しました。消えたデータも変更された設定もない。助かります。このところずっとポメラで原稿を書いていましたが、今はPC復活記念、ノートPCの一太郎でブログを書いています。眼精疲労の問題さえなければ、やはり一太郎が一番書きやすい。これからはポメラと一太郎、半々で書くことになると思います。

タイミング・イズ・マネー

それにしても時代は刻一刻と変化していますね。新聞を読むと、我が社に関係のありそうな出来事が実にたくさん載っています。一喜一憂、あるいは右往左往する必要はないわけですが、おおよそどのようなことになっているのか、僕らは把握しておかねばなりません。
 裡には熱い思いを秘め、さまざまな知識を持ち、積極果敢に行動する。とても大切なことですが、それで万事うまくいくというわけではありません。世の中には、思いも知識も行動力も十分持ちながら、うまくいかない人、うまくいかない企業が山のようにあります。どこが違うのか、考えたことはあるでしょうか?
 まず、自分の思いが本物かどうか見分ける必要がありそうですね。区別は実に簡単。時間がたつほど、ますますその思いが強まるかどうか? ここがポイント。時間の経過とともに弱まっていくような思いは、一過性の思い込みに過ぎません。一時的な思いに振り回される人は、次々と思い込みの対象を変えながら、テーマの定まらない人生を歩んでいくことになります。
 「これだ!」と確信できる思いを持ったとき、再度チェックすべき点があります。
 それは「時代に即しているかどうか?」。今、それをやるべきかどうか、ということです。
 よく「タイム・イズ・マネー」と言われますが、本当は「タイミング・イズ・マネー」というほうが的を射ているでしょう。タイミングが悪ければ、事業は軌道に乗りません。
 我が社にも、タイミングを逸したばかりにヒットを逃した商品があります。社歴の長い人なら覚えているでしょう。家系図作成ソフト「家康」。最初の発売は1995年。Windows 95発売前。Windows 3.1版として開発・発売されました。他に類のない画期的ソフトだったわけですが、家系図に関心のある人の多くは年配の方々。時代はパソコンの普及期に入ろうとする頃。魅力的商品ではあったものの、一部のマニアックなユーザーに受け入れられただけで終わってしまいました。
 趣味であればタイミングを気にする必要はありませんが、ビジネスにおいてタイミングを外すのは会社にとって大きな損失。今日の世の中の動きを的確にキャッチする必要があるのです。

先見力を持つ

世の中の動きについて話す前に、ひとつ紹介したい言葉があります。

「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」(松尾芭蕉)

これは「原則を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない」という意味。不易とは、変わらないもの、変えてはならないもの。流行とは、どんどん変わっていくもの、変えていくべきもののことです。
 刻々変わっていく世の中ではありますが、変わらざるもの(不易=原則)を見いだしながら人類は成長してきました。原則は格言、神話、宗教、哲学といった形で伝承されることもありますし、科学者らの手によって不変の真理として証明されるものもあります。
 確かな原則を手に入れようと努力しながら、その一方で、僕らは時代とともに変わっていく社会の中で生きています。変わっていくもの、変えるべきもの(流行)に深く関わりながら、人や企業は新しい知識を獲得し成長していくのです。
 世の中の動きをどのように捉えるのか? 時流に乗るためにはどうしたらよいのか? これは人生にとっても企業経営にとっても非常に重要なポイントです。幹部には「先見力を持つ」という能力が求められます。
 かつて、印刷関連業界の中に写植という仕事がありました。写植専門の会社もあったし、一時は人気の職業だったと記憶しています。けれども、今はどうでしょう? 写植を主たる業務としている人はほぼ皆無でしょう。先見力を持った人は、DTPの流れを察知したとき、写植以外の別な能力を身につけるために、いち早く行動を起こしたことでしょう。乗り遅れた人は失職、遅れた会社は廃業へと追い込まれることになったはずです。
 先見力を持つために欠かせないのが情報ということになります。今の時代、情報は世界中に洪水のようにあふれています。したがって、本当に役立つものだけを選び取らなければなりません。
 最初に考えるべきことは、「自分・自社は今どこにいるのか?」ということ。これは地理的考察、または空間的考察といってよいでしょう。世の中がどうなっているのかを明らかにしながら、自分、自社の立ち位置を明確にしていきます。
 我が社の場合は「北海道、十勝、帯広に位置している印刷会社」。世界情勢とともに地域の情報にも精通していなければなりません。そしてもうひとつ、「情報、出版、広告、印刷業界としての我が社」。自社の属する業界はどのようになっているのか知る必要があります。世界地図と業界地図。幹部にはその両方の視点を持つことが求められるのです。

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高原淳写真的業務日誌