第9講 世の中の動き 2

第9講 世の中の動き 2

おはようございます。
 昨日は帯広から豊富までのロングドライブ。久しぶりに見る青空。午後から2件、いい感じで取材・撮影することができました。宿泊は天塩。取材先で目が覚めると不思議な感覚にとらわれることがあります。自分は今なぜここにいるのだろう? ビジネスホテルではさほど感じませんが、今回のように温泉宿に泊まったときは、いつも不思議な気持ちになる。何か特別な意味があってここに泊まっているのではないか……。そう思えてしまうのです。
 人生には意味のない偶然もたくさんあるとは思います。けれども、意味はなくとも意味づけすることによって、意味のある時間になったり、意味深いプロジェクトになったりする。「意味づけする」という習慣が仕事や人生の質を高めることにつながるのではないかと思います。

歴史的考察

世の中の動きの中にも、意味不明なものが実にたくさんあることでしょう。意味あるものと意味不明なもの。そして、まったく無意味なものがある。実際に意味があるかどうかは、この際さほど問題ではないのかもしれません。自分が意味を見いだすことができるかどうか? ここが重要なのです。これを地理的考察(空間的考察)と歴史的考察(時間的考察)の両面から進めていく。そうすると、自分の人生や自分の会社にとって、重要な意味を発見できるかもしれません。意味ある出来事と意味ある活動。これらをつないでいくと、ストーリー性が生まれてくる。これはある程度長い社歴があり、経営幹部として活躍している人には容易に理解できることではないかと思います。
 昨日は地理的考察について述べました。今日のメインは歴史的考察です。世の中はどのような流れになっているのか、時間軸で考えてみるのです。
 「今」という瞬間だけで世の中を観察していると、正確な状況把握はできないものです。重要なのは、時間と空間を照らし合わせて世の中を考察し、分析してみること。そうすると、世の中が立体的に捉えられるようになり、これからどのように変化していくのか、おぼろげながら見えてくるようになるのです。
 人類の歴史は偶然によって左右され、成り行きによって今現在に至っているかのように見えるかもしれません。しかし、注意深く歴史の細部を読み解いていくならば、実は「あるべき姿に向かって試行錯誤しながら進んでいる」といえるのではないでしょうか? 私利私欲や国益の対立によって歴史が一時的に逆行したり、歪められてしまうこともあるでしょう。それでも、壮大なストーリーを描きながら人類は進化している。僕はそのように考えています。
 歴史的考察(時間的考察)において考えるべきポイントは次の2点です。

1.何の障害もなく世の中がよい方向へ進んでいくとしたら、どのような道筋をたどっていくか?
 2.本来あるべき姿(望ましい世の中)になることを妨げているものは何か? それによって、歴史のストーリーはどのように書き換えられるのか?

ちょっとややこしい書き方になってしまいました。
 世の中の動き、時代の流れを川にたとえるならば、それは蛇行しながら大きな流れを作っていく大河のようなものであるといえます。一直線の川というものは存在しません。巨大な岩や山があれば川の進路は変わります。けれども、水が高いところから低いところへ流れていくという原則が変わることはありません。
 本講では長期的な時流の変化について考えていきます。ただ、その前に僕の歴史認識は不完全なものであることをあらかじめご承知置きください。強引な解釈や知識不足による誤解が含まれている可能性があります。1000年単位と100年単位の世の中の動きを述べていきますが、認識の誤りを発見したら、速やかに訂正させていただきます。

原始共産制から「力の時代」へ

人類がいつ誕生したのか? だいたい600万年前といわれていますが、実際のところはよくわかりません。人類の歴史の大半は狩猟・採集生活。農耕が始まったのは「つい最近」のこと。男は野生動物を捕らえ、女は木の実など植物を採集する。そして食べ物が少なくなったら移動する。この頃の人類はある意味豊かな生活だったようです。男は1週間狩りを行ったら、次の2~3習慣は何もしない。女は1日1~3時間程度の植物採集。それで栄養状態は十分でした。必要な食料は集団の全員に分け与えられた。そんなところから人類の歴史は始まっています。
 ところが、1万年くらい前に人類は人口問題を抱えることになったんですね。世界人口が400万人くらいに膨れ上がった。現代に比べれば非常に少ない人口ですが、当時の人にとっては大問題。狩猟採集生活では広い土地が必要となるからです。食糧確保のために人類はこれまでにない努力をすることとなりました。
 それが農業や牧畜。ハードな労働ですが、狭い土地でも十分な作物を得ることができた。人口密度が高まっても、集落を維持することができたのです。
 その一方、農耕生活が始まったことで貧富や身分の差が生まれるようになりました。農業や牧畜には知識や技術が必要となります。知識、技術が特定の人に集まると、富も身分もそこに集中する。王や豪族、特権階級が生まれ、彼らを中心に国や都市が形成される。さらに、国や都市間の対立によって戦争が生まれ、捕虜は奴隷になり、ますます上下関係が激しくなっていく……。
 こうして人類は「力の時代」に突入し、力という価値観が長い間世界を支配することになったのです。
 力の時代は形を変えながら、今日までしぶとく続いています。力の時代は言い換えるならば、「支配-被支配」の関係。支配者がいる一方、支配される人も必ずいるのです。それがずっと人類の歴史に暗い影を落としてきました。
 ただし、中世、近代を経て人々の知識が増えるにしたがって、野蛮な形での支配は少なくなり、力の使い方は多種多様になっていきます。無理矢理力でねじ伏せる。今も存在するやり方ですが、先進国を中心に別な力の使い方に変わってきています。
(続く)

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