
おはようございます。
ようやく晴れました。午後、庭の草刈りをしてからミーティング。あとはタケノコご飯を作ったくらいでしょうか。一日の半分くらいは体を休める時間でした。
活版印刷による情報革命と大航海時代
昨日まで、大まかに人類の歴史を振り返ってみたわけですが、今度は数100年単位の変化を見ていくことにしましょう。
僕が一番気になっているのは、グローバリズムがどのようにして誕生したのかについて。グローバルとは「世界的か規模である」ということ。グローバリズムは「世界をひとつの共同体とする考え方」を意味します。本来の意味で捉えるならば、世の中がグローバル化することは歓迎すべき人類の進歩、発展です。
ところが、僕らはグローバリズムという言葉の中に「格差」「弱肉強食」「寡占化」といったイメージを感じ取っています。どうしてこのようなことになったのでしょう?
人類がグローバル化していったのは、歴史上どのあたりからなのか? 古代ローマ帝国の頃でしょうか? モンゴル帝国の時代でしょうか?
僕は世界的規模として考えるならば、15世紀以降と考えるのが妥当ではないかと思っています。特徴的な出来事は「グーテンベルクによる近代印刷技術の確立」と「大航海時代の到来」。この頃、ほぼ同時期に情報革命と物流革命が起こったのです。
グーテンベルクが活版印刷によって聖書を出版したのは1455年頃のこと。「42行聖書」と呼ばれ、570年たった今も40数部現存しています。情報を大量複製することのできる活版印刷は、ヨーロッパ社会に革命的な変化をもたらしました。ヨーロッパの科学、文化が飛躍的に進歩していくことになったのです。
印刷による情報革命から少し遅れて、物流革命が起こります。これは印刷媒体の普及によって、多くの人が情報を共有するようになり、航海技術が急速に進んでいったことによるもの。1472年にはイタリアで世界地図が出版されています。ポルトガル、スペインを中心とする地理上の発見は旅行記によって人々に知られるようになり、その後、ヨーロッパ列強諸国による植民地主義へとつながっていくことになります。
500年前のグローバリズムは、科学、文化の発展とともに、対立、格差の拡大を招くこととなったのです。
インターネットと物流革命
500年前に起こった歴史上の大きな変化と今日の世界とを重ね合わせてみることはできないでしょうか? 僕はほとんど同じことが起こっているのではないかと考えています。
「情報爆発」と呼ばれている通り、今はインターネットによる情報革命が起こっています。物流のほうも同様と考えてよいでしょう。日本では1980年代に宅配便が普及していきましたが、インターネット誕生後は通信販売の配送手段として急拡大することとなりました。ネット通販業界は、数年前から百貨店の売上を上回る規模にまで成長しています。1970年代、通販はちょっと怪しげな業界だと思われていたのに、今では誰もがネット通販を利用している。人々の意識も大きく変化しています。
B2Bに目を転じると、企業規模に関わらず、国境を越えて原料調達や業務委託などが行われていることに気づくでしょう。我が社は典型的な地域企業ではありますが、必要に応じて海外企業に業務を外注することがあります。たとえば、写真の切り抜きという業務が大量発生すると、ネット経由で業務を委託する。小規模ではありますが、帯広にいながら国際取引を行っているのです。
インターネットと物流革命。これによってもたらされたものは何か? 残念ながら、「それは形を変えた対立」と「さらなる格差拡大」でした。
ネット通販や国際調達によって、商品、サービスの単価が下落。先進国では製造業の空洞化が加速することとなりました。中国をはじめとする新興国や発展途上国に工場を持つようになり、本国では失業率上昇、非正規労働者の増加、賃金の低下を招くこととなりました。
こうした世の中の変化によって、「中間所得者層」が減少し、日本においても格差社会へ向かってしまっています。中間所得者層が低所得者層へと転落すると、購買力の低下、治安の悪化へとつながっていきます。一方、高所得者層は人口の数%に過ぎませんから、景気全体への影響はほとんどありません。中間所得者層、低所得者層の可処分所得が減少すると、一気にデフレが加速することになるのです。
デフレが起こると、多くの企業では「必要十分な粗利益を確保することができない」という事態に陥ります。価格対応力のある一部の企業がシェアを拡大していき、結果として企業間格差が顕著になる。つまり、デフレが進行すると寡占化が進んでいくということになります。
今日、成功している企業を見ていくと、業界内での低価格競争に勝ち抜いて圧倒的シェアを獲得した企業が多くを占めていることに気づくでしょう。こうしたシビアな競争が世界レベルで繰り広げられています。
一部の業種では景気が回復し、人口減少と相まって採用面では空前の売り手市場になっています。しかし、大きな流れを見ると、グローバル化→価格競争→寡占化→格差拡大……という構造は変わっていません。
日本で圧倒的多数(99.7%)を占める中小企業はどのような状況にあり、今後どのように変えていくべきなのか? 明日はこのあたりについて考えてみたいと思います。
(続く)
※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。
