第11講 人生目的

第11講 人生目的

おはようございます。
 午後2時から2018年度第1回全道経営指針委員会。これまでであれば札幌へ出向くところ。今回はweb会議。そういえば、前回会議もそうでした。このときは大雪、通行止めという理由によるweb会議。どうもまだ慣れていない。ちゃんと声が届いているのか心配になって、つい声に力が入ってしまいます。釧路までなら声が届きそうだが、函館まで届くだろうか? そんな非科学的なイメージが湧いてくる。ふだんの会議より2.5倍くらい体力を消耗します。けれども、札幌往復を考えると、webのほうが断然効率的ですね。夜は帯広経営研究会総務広報委員会。こちらも新しい活動が行われようとしている。おもしろいディスカッションが繰り広げられました。

「なぜ?」が大切

企業には経営理念や経営目的があるものです。たとえそれが明文化されていないとしても、やはり何らかの理念、目的が存在する。多くの場合、簡潔な文で経営理念として明文化し、それを社内に浸透させようとするものです。
 企業に理念や目的があるのと同様、個人にも理念や目的といったものがあるはずだ……。そう考えたことはないでしょうか? 
 世の中には残念な生き方をしている人が案外多くいるものです。十分すぎるほどの才能を持っているのに、それを生かそうとしていない。才能の切り売りをして、刹那的な生き方をしている人もいます。なぜこういうことになるのか? それは目的意識が希薄だからに他なりません。目的を持っていない。あるいは、持っていても忘れてしまっている。ここに「残念な生き方」をする人の共通項があるのです。
 ただ、「人生目的なんて考えたこともない」という人もいることでしょう。もっともです。僕も30代までは考えもしなかった。ビジョンはあったものの、理念や目的を考えたことはなかったのです。
 ただ、それでも「自分は何のために仕事をするのだろう?」といったテーマについては考えていました。仕事をしていると、不条理な出来事や状況に出合うことがあるものです。最初は、「なぜこうなったのだろう?」と考え、やがて「何か意味があるはずだ」と僕は考えるようになりました。人生目的そのものについて考えたわけではありませんが、30代の頃は「なぜこうなのか?」という問いが頭の中にいつも浮かんでいました。
 きっと僕の30代と同じような状況にある人が我が社にも何人か(何10人かも?)いるのではないかと思います。この「なぜ?」が大切ですね。人生には自問自答が必要です。答の出ない問題について考え、明快な答は出せないまでも、自分としてベストな答を見つけ出そうと努力する。そのプロセスと成果物(「なぜ?」に対する答)が人生には必要なのです。
 幹部、経営者となる人は人生目的を明確にしなければなりません。これが自分の人生目的である。そう明確に言い切ることのできる人は、きっと少ないことでしょう。僕の人生目的にしても「本当にそうなのか?」と今も自問自答しています。100%の確証があってのことではありません。それでも明確にする。そして、人生目的を口にするときは言い切ることが重要です。言い切ることで力強さが生まれる。周囲の人を動機付けすることができるのです。

目的があれば生き方が変わる

人生目的がない、またはあっても気づいていない人は自分の持つ才能を生かし切ることができません。高い能力を持つ人であっても、人生目的のない人は環境変化に左右されてしまうことが多い。困難に直面すると、目的意識の希薄な人は心がぐらついてしまうのです。
 人生目的を持っている人は、どのような環境下にあっても不平、不満、愚痴を言うことも、我が身の不幸、不運を嘆くこともありません。現状を受け入れ、肯定的、建設的、前向きに、ただひたすら目的に向かって努力し続けることができます。人生目的を持つことで、自分の生き方が力強く変わっていくのです。
 今年は6月から7月にかけて、十勝では長雨が続いています。なかなか太陽が出ない。ある農業者が言っていました。「嘆いても天気が変わるわけではない。今できること、状況が少しでもよくなるよう仕事をするだけ」。これは人生目的を持っている人のセリフといえるでしょう。どんなに努力しても気象条件の影響を受けてしまう農業。その中で肯定的、建設的、前向きに仕事をするには、人生目的を持つことが欠かせません。同様に、企業経営者にも経営幹部にも、避けがたい問題や不条理な出来事が山ほど訪れます。強い心を持っていなければなりません。
 経営学の神様といえば、ピーター・ドラッカー。数々の名言を残しています。もっとも有名なもののひとつに「企業の目的は顧客の創造である」が挙げられるでしょう。僕も、確かにその通りだな……と思います。しかし、同時に別な疑問が湧いてきます。
 「企業の目的が顧客の創造であるならば、人生の目的は何なのだろう?」
 人生目的は一人ひとり異なるものの、すべての人に当てはまるような、ドラッカー的な定義があるのかもしれない。そう考えてしまうのです。
 僕の中ではまだ結論が出ず、たぶん一生考え続けることになると思いますが、次世代幹部養成塾を始めた9年前に、いったん答を導き出しました。それは「人間関係の創造」というもの。企業が顧客を創造するのであれば、個人は人間関係を創造するに違いない。人間関係の創造を望まない人は滅多にいません。多くの企業が顧客創造に悩むのと同じように、多くの人も人間関係がうまくいかないことに悩んでいます。
 人生目的をなかなか明文化できない人は、「どのような人間関係を築いていきたいのか?」というところから考え始めてみてはいかがでしょう? いったん言葉に表してみる。しっくりしない言葉であっても、最初はよしとしましょう。年に一度考え直してみる。数年たつと、ずいぶん人生目的らしくなっていくものです。
 自社の経営理念、経営目的を深いレベルで理解、共感するには、自分の人生目的も明らかになっている必要があります。企業経営と人生経営はつながっているのです。

※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。

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